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魔王と呼ばれた男  作者: あき
20/50

竜のゆりかご亭

登場人物や名称一覧


現 世  :元々主人公が住んでいた世界。(物質世界)

霊 界  :今、主人公が生活している世界。(半物質半精神世界)

神 界  :神様が住む精神世界。

イヒン  :霊界に存在する人族。魂の理解度が高く魔法が得意。

ドルーク :霊界に存在する人族。好戦的で力が強い。

イフアン :イヒンとドルークの混血。

妖 人  :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等

亜 人  :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ベアーフット・ドワーフ・エルフ等

魔 人  :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ等

古代竜  :理を理解した竜。大抵1万年以上生きている。

ワード大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。

ペニ城  :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。

ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。

ドルクロイ:ヨルド村から陸続きで繋がっているドルークの国。

穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応魔王。

オルグ  :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

コムケ  :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

ゲルダ  :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。

セレナ  :ゲルダが作ったゴーレム。

ヨルドン爺:ヨドム村の墓守。境界の監視人。

ダイゴ  :ヨドム村の自営団の団長。モルテガの子ども。

モルテガ :ヨドム村の村長。ダイゴの父親。

マスター :竜のゆりかご亭のマスター。

マリア  :竜のゆりかご亭の料理人。マスターの妻。

ティアラ :竜のゆりかご亭の看板娘。マスターの娘。

ステラ  :竜のゆりかご亭の店員。マスターの娘。ティアラの姉。

20 竜のゆりかご亭


 「そろそろ問題の酒場に行ってもいいかな?」


 ヨドム村に行くようになってから3ヶ月がすぎた。と言っても商業船が港に寄る時に顔を出していたので、まだ5回ほどしか行ってないが・・・


 仲がよくなった船員におごって話を聞いていたら、ホール酒場より、竜のゆりかご亭の方が料理がうまいらしい。そして若干値段も張るらしい。


 竜のゆりかご亭・・・はじめてヨドム村に来た時に、絡まれて爆破された酒場だ。ぼくのせいではないけど・・・行きづらい。


 それにまだ、この世界のお金の価値がわからない・・・とりあえずホール酒場なら、虫達がそこら中からお金を拾ってくるため、まわりの様子を見ながら支払いができた。


 拾ってきたお金を広げると・・・3種類の硬貨しかない。銅でできたでこぼこの小さい硬貨。それよりもひとまわり大きい銀でできた硬貨。そして銀貨より少し大きい金貨。どれも数字が書いてない。よく見ると銅貨は模様も様々だ・・・。


 酒場では、とりあえず銀貨を払えば、何枚か銅貨がもらえる。おごったときは、銀貨1個では足りないと言われ、2個払ったときがある。


 1個だけ虫たちが金貨を拾ってきたが、コムケからもらった金貨とは模様がちがった。若干コムケの金貨の方が重いような・・・


 せっかく金貨が手には入ったので、そろそろ竜のゆりかご亭に行ってもいいかなと思い始めたのだ。


 一人だとよそ者は注目されるので、一緒に飲んでいる船員達と向かった。彼らは奢ってもらえると聞いて、うきうきだ。

 

 



 バカ騒ぎしながら、ゆりかご停のドアを開ける。


 中から人々の話し声が聞こえる。一瞬注目を浴びるが・・・

船員がうれしそうに「一度食べてみたかったんだ~。」と大きな声で話すのを聞いて、みな元の会話に戻った。


 いい感じだ。


 程良く飲み食いしたところで、船員の一人が酔いつぶれ、ほかの船員が船に送ることになった。


 僕はもう少し飲んでいくことを伝えると、みな「ありがと~。」とお礼を言いながら帰って行った・・・


 一人になった・・・ここまでは作戦通りだ。


 カウンターに座り直し、まわりの状況を観察する。虫たちに偵察してもらって、この店の間取りは頭に入っている。


 カウンターの向かいには、30人ほど客がいる。客席は2/3ほどがうまっている。看板娘のティアラがその間を上手に行き来して忙しそうだ。いつもは姉のステラも注文をとっているはずだが・・・今はいない。


 カウンターにいるのは二人の父親だ。みなマスターと呼ぶので名前がまだわからない。奥に二人の母親のマリアが料理を作っているはずだ。


 そう、ここは家族経営の宿屋件酒場なのだ。酒場は夕方からオープンしている。もう一つのホール酒場が昼から営業しているせいで、酔っぱらいが多いのだ。


 おそるおそるマスターに声をかける・・・


 「ビールおかわりもらえるかい。」


 目が合った瞬間・・・・「ばれた・・・」と感じた。


 3ヶ月前と服装はちがうが、とくに変装はしていない。まさか少しみただけの顔を覚えているとは・・・


 だが、マスターは、おかわりの木のジョッキを持ってくると、何も言わずに交換してくれた。


 「いいのかい?魔人と気がついてるのに・・・。」


つぶやくと、どうやら店に入ってきたときから気がついていたらしい。


 「壊れたところは、村長が弁償してくれた。だから気にしてない。それにおまえさんが悪いようには見えなかったしな。」


 それからしばらくマスターにこの村の話をきいた。甘えついでにお金のことも聞いてみた。


 「銅貨が100個で銀貨1個だ。ビールが銅貨20個だ。ホールなら10個で飲めるが・・・味薄くなかったか?  で銀貨10個で金貨1個だ。  ただ・・・・その金貨はだめだ。偽物だ。」


 やばい・・・この時代のお金は、拾った銅貨18個と銀貨4個とこの金貨しかない。ダメもとでコムケからもらった金貨を見せる。


 「ほー。これは珍しい、ペニ金貨じゃないか。昔ここに隕石が落ちてな、ほとんどのペニ金貨は失われたんだ。ワーガ大陸以外にも出回っていたから、今でも使えるが・・・博物館にでもしまった方がいいぞ。」


 よかった。とりあえず無銭飲食にはならないですむ。ちなみに価値を聞いてみると・・・


 「そいつは、今の金貨の倍の金が使われているから、銀貨20個分の価値だ。でもオークションに出せば、白金貨数個と交換してもらえるぞ。」


 白金貨は額が大きすぎてあまり流通してないらしい。


 船員達との飲み食い含め銀貨6個だそうだ。おしい・・・少し足りなかった。ホールで飲み食いしても銀貨2個だったことを考えると、普段船員達がここに来ないのもわかる。とりあえず、ペニ金貨で精算する。銀貨20個分だが、これしかないのだ。


 でも銀貨より価値のある情報も聞けたので、僕は竜のゆりかご亭が気に入った。ちなみに上の客室で泊まると1泊銀貨2個らしい。



 手元に銀貨18個残っている。銅貨はじゃまなので、精算の際に机においてきた。ティアラの小遣いにでもなればいいが。


 町には酒場は2件しかないが、朝と夕方は中央通りに屋台が並ぶ。船が港につくとき限定なのだそう。それでも商業船に限らなければ、いつも船が泊まっている。これなら商業船に紛れなくても、船でヨドム村に来れば怪しまれなかったかも知れない。また山脈にそって東側に抜ける陸路もある。途中大きな関所があるが、そこから来てもよかった。


 やはり事前の情報収集は大切だ。


 竜のゆりかご亭に通うようになり、いちいち空き家から移動するのが面倒になった。そこで部屋を1年間借りることにした。ずいぶん安くしてくれたが、支払いはペニ金貨だ。オークションに出せば大金持ちだ。でもここ竜のゆりかご亭はいつも繁盛しているので、お金には困ってないようだ。



 はじめてヨドム村にきてから5ヶ月がたとうとした。



 酒場に降りると、かつて絡んできた守り手の大男がいた・・・どきどきしながら横を通り過ぎたが、マスターに挨拶しているのをみて、気にする様子もなく仲間としゃべっていた。


 ちなみに、竜のゆりかご亭の名前の由来は・・・魔海を挟んで山脈の向こう側に竜の巣穴があるからだと言っていた。


 確か・・・オルグも言っていた。「最後まで自我が残った魂は、自分たちと竜の集団。」だと。


 この山脈に竜の集団がやってきたのは、隕石落下から100年後のことらしい。・・・そこで若い竜が山脈に取り込まれ、魔王の体に抵抗できた年輩の竜が、竜の魂を見守るために、ここに巣穴を作ったのだとか。


 どうりで竜の魂を感じられないわけだ。


 そして、こうも言われた。


「いくら魔王様でも、あそこには近づかないように。古代竜もいるはずだから。」


 この世界では、古代竜はあまり見かけない・・・とゲルダが言っていた。古代竜ほどの魔獣になれば、この世界の理を理解し、次の霊界に転生するからと。


 こんな近場にいたんですけど・・・しかも僕の体の上だよ。ぼくの体の上にいて存在が理解できないのは、ゲルダの家と神の森だけだと思っていたのに。



 だから魔海の向こう側の山脈にはまだ行っていない。



 怖い場所には、行かない!人生を楽しむこつである。




ヨルド村を手中にするまでの話を5話分一気に書きました。

でも、文章が変なところもあり、直し中・・・なんか疲れた。

とりあえず随時公開して、おいおい直していきます。


もう少し、作文スキルがあがればいいが、ストーリーを淡々と書いてしまいます。


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