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魔王と呼ばれた男  作者: あき
19/50

シルク

登場人物や名称一覧


現 世  :元々主人公が住んでいた世界(物質世界)

霊 界  :今、主人公が生活している世界(半物質半精神世界)

      現世で魂の存在に気が付いた者だけ霊界に転生できる。

神 界  :神様が住む精神世界

イヒン  :霊界に存在する人族 人族の中では魂の理解度が高く魔法が得意。

ドルーク :霊界に存在する人族 好戦的で力が強い。

イフアン :イヒンとドルークの混血。

妖 人  :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等

亜 人  :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ハーフリング・ドワーフ・エルフ等

魔 人  :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ他

ワード大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。

ペニ城  :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。

ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。

穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応、魔王。

オルグ  :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

コムケ  :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

ゲルダ  :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。

セレナ  :ゲルダが作ったゴーレム。

ヨルドン爺:ヨルド村の墓守。

ダイゴ  :ヨルド村の自衛団の団長。モルテガの子ども。

モルテガ :ヨルド村の村長。ダイゴの父親。


19 シルク


 しばらく工房通いを続けた。工房の魔液システムは効率が悪いので、全て魔石に交換した。


 途中、ノーム王に頼まれて、中央部の魔液システムも魔石を使った物に交換した。50cmの魔石で足りると思ったが、この街は至る所に魔液を使用していたため、念のため1mまで魔石を大きくして魔力を込めてから設置した。


 目の前で魔石が大きくなっていくのを見て、ノーム王をはじめ、そこにいたノーム達が全員ひれ伏した。面倒くさくなって、「そういうのは好きじゃないから、さっさと立つ。」と立たせて設計の話にうつった。


 僕の「鳥馬」1号機は、魔液システムを使っていたので、馬よりも大きくなってしまった。2号機には、30cm程の魔石を胸あたりに組み込み、設計をやり直した。


 ただ動かすだけなら5cmもあれば十分だが、馬力が欲しかったのと、ある機能を付けたかったからである。


 僕はアイデアだけだし、設計や試作品は工房の面々が作っている。魔石システムの試作品を何度も作っているうちに、たくさんのノームが見学に訪れた。ノーム王まで一生懸命メモをとりながら、見学している。


 「鳥馬」3号機は、材料に魔王の体を提供した。2号機のノウハウを活かし、だいぶ小型化されていた。軽さと頑丈さを両立させるために、山脈にいたスノードラゴンの鱗に魔王の体を浸食させた材料を使った。


 ノームが、鳥馬の背中に乗ってスピードを出すとき、風圧がすごいからと、首の羽が浮き上がって、風防になるように工夫していた。


 すると別のノームが、戦場を駆け回る際、攻撃を受けないように、羽でまわりをガードできるように提案・・・それを受けて、また別のノームが、ジャンプの飛距離がでるように羽で風を受けれるよう・・・


 すでに僕のアイデアを上回る設計がすすんでいた。なんか楽しそうである。魔法が苦手な僕も、ここの会話にはついていけるので、ちょっと楽しい。


 同時進行で、馬車の設計もすすんでいる。こちらは完全にノーム達に任せた。


 僕の注文は・・・大きさは軽自動車ぐらい。普段は座って乗るが、寝るときはベッドに寝たい。水がでる場所も欲しい。シャワーとトイレも欲しい。


 トイレの注文で変な顔をされた・・・どうやら旅の時は野ぐそがふつうらしい。でも全込み込みのキャンピングカーは男のロマンなのだ。


 キャンピング馬車は、すぐに完成した。動力がない分簡単だったようだ。しかし、驚きの機能が搭載されていた・・・


 なんと空中に浮いているのだ!


 ノーム曰く、「鳥馬」の性能を活かすには車輪では無理だったらしい。道があまり整備されておらず、あっても馬車道。それを「鳥馬」で引っ張ったら振動がすごいことになるらしい。


 何度実験しても、高低差1mを越すと車軸が曲がってしまい、悩んだそうだ。でも僕がどんどん魔石を提供するので、ならばずっと浮遊させればいいじゃん!となったのである。なんか「スターウォーズ」の世界みたいでかっこいい。


 外側は、白い見たこともない材質で型がとられていた。なんでもキラースパイダーの糸を巻いて、樹脂に漬けた物らしい。さらに魔石で防御壁を付与しているらしかった。


 キャンピング馬車の入り口は側面後方にある。下から2段ぐらいの階段がせりだして、ドアをあける。ドアはノームがやっと通れるくらい小さい。入れればいいらしい。そのかわり床下収納には、外からもアクセスできる。荷物は床下収納経由で中にいれるみたいだ。


 ドアを抜けると後方部分にシャワー兼トイレ室がある。もちろん水洗で床下のタンクに溜める仕様だ。シャワーには小さい魔石が組まれていて、温水がでる。シャワー室の横に、温風や冷風がでる穴がある。空調システムがあるのか・・・


 ドアの横には、キッチンがあった。小さいコンロもあった。換気扇が見あたらなかったので、あとでつけてもらおう。さすがに冷蔵庫の概念はなかったようだ。霊界では、食料庫自体を冷やすことが多いからだ。


 ベッドは展開式だ。現世のキャンピングカーとあまり変わらない。やはりいきつくところは同じようだ。前方には御者台に出入りできる窓がついていた。


 キャンピングカーの中でうほうほしていたら、「鳥馬」が完成したとの報告を受けた。


 その「鳥馬」は、漆黒の羽を持ち、とても綺麗だった。魔王の体で浸食すると色は黒っぽくなるらしい。黒は光を反射しないかわりに熱がこもる。そこで魔法防御をうすく付与することで、熱も反射しているようだった。


 高さは1m80cmぐらい、僕より少し高い。でも跨がるところは1m50cmぐらいで、台があれば軽くまたげるようになっている。鞍に足をひっかける部品がついているらしかった。


 実際、鞍をのせて跨がると、馬に跨がるというよりは、ソファーに座っている感じだ。でもスピードが速くなると、ソファーが前に移動して勝手に前傾姿勢になる。いつの間にこんな鞍を作ったんだ!?ノーム恐るべし。


 鱗の羽を魔王の体で浸食したメリットがまだあった。「鳥馬」が感じたこと、見た物、聞いた音を全て共有できるのだ。駆け足で風防の中にこもっても前方が見える。キャンピングカーで寝ながら引っ張ってもらっても、前が見える。都合がいい。


 外に出て、乗り回してみる。山脈を物ともしないで走り回れる。速く走ると歩幅が10m程になる。ジャンプすると100mはいけそうだ。


 最後に、絶対に付けたかった機能を試す・・・


 「鳥馬」の口を大きく開けて、胸の部分と一直線になるように顔をせり出す・・・口の中を覗いたら魔石が見えるはずだ。そして、魔石に魔力を込める・・・限界まで魔力をため込んだ魔石は、弾けることなくレーダーの様に魔力を前方に放出した。魔力の制御を覚えたのだ!?


 レーダーの照射された部分は焼きただれ、土が一瞬で蒸発し大爆発を引き起こす。あまりの威力に少し引いてしまった・・・ノーム達があっけにとられている。


 これでは本物の魔王みたいだ・・・



 「鳥馬」に命名した・・・シルクと。 


挿絵(By みてみん)

※訂正 ×ヨルド村 → 〇ヨドム村

一旦ノームの話は終わります。もちろん今後もトールの工房の役割を担うので、ちょくちょく登場します。

そのうち、ノーム達やノームの街に名前をつけようと考えています。命名が一番難しい。

次回は、ヨドム村かドワーフの街か・・・両方の概要を書いていますが、どちらから投稿するか悩み中です。


がんばって挿絵の投入のやり方調べて入れてみた。ワーガ大陸までは、設定をきめているが、とりあえず魔海周辺の挿絵入れました。


※途中からヨドム村の名称を間違って記載していました。気が付いたところは直しましたが、挿絵の名称を直す気力がありません・・・・・





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