ヨドム村
登場人物や名称一覧
現 世 :元々主人公が住んでいた世界(物質世界)
霊 界 :今、主人公が生活している世界(半物質半精神世界)
現世で魂の存在に気が付いた者だけ霊界に転生できる。
神 界 :神様が住む精神世界
イヒン :霊界に存在する人族 人族の中では魂の理解度が高く魔法が得意。
ドルーク :霊界に存在する人族 好戦的で力が強い。
イフアン :イヒンとドルークの混血。
妖 人 :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等
亜 人 :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ハーフリング・ドワーフ・エルフ等
魔 人 :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ他
ワード大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。
ペニ城 :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。
ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。
穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応、魔王。
オルグ :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。
コムケ :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。
ゲルダ :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。
セレナ :ゲルダが作ったゴーレム。
ヨルドン爺:ヨドム村の墓守。
ダイゴ :ヨドム村の自衛団の団長。モルテガの子ども。
モルテガ :ヨドム村の村長。ダイゴの父親。
14 ヨドム村
魔王が襲来し、大戦士オルグが自分と部下たちの命を犠牲にして隕石を降らし、魔王を滅ぼしてから1000年がたった。
ここワーガ大陸は、生き物の住まない死の大陸となったが、数百年前から少しずつ他の大陸からの移住がはじまった。
古の言い伝えでは、ワーガ大陸では争いが絶えず、それが理由で東側は人が住めないほど汚染されていたらしい。しかし、魔王襲来以降徐々に汚染物質がなくなり、人が住めるようになったのだそうだ。
かわりに隕石が落ちた西側、元イヒンの国の周辺は、魔海と山脈に囲まれ妖魔も近寄れない魔界となった。
今、ワーガ大陸は、様々な種族が住んでいる。オーガ、オーク、ゴブリン等の妖人。ノーム、ドワーフ、エルフ等の亜人。ドルーク、イフアン等の人族が生活している。今やイヒンの民は世界に散ってほとんど残っていない。
400年前、ドルークの大冒険家ヨドムが、大艦隊を率いて魔海の探検にやってきた。魔海の入り口、北側の山脈の切れ目に拠点を設置し、一気に魔海に出航した。
そして、ヨドムは戻ってきた。
数人の部下と小さな脱出ボートで。
ヨドム自身も片目と片腕を失っていたが、部下も同じ様なものだった。
拠点にもどったヨドムは、何も語らず、魔海が見渡せる崖に沢山の墓標を作って、生涯をそこで過ごした。ヨドムが死んだ後も、その部下たちが墓標を見守った。いつしかその拠点が村になり、だれも墓標より南には行こうとしなかった。最後の部下が亡くなったため、魔海に何があったのかは、ついぞ知れず・・・
ただただ、ヨドム村の人々は「決して墓標より南に行ってはならない。」という言い伝えを守り続けている。
そんな南側の森から、旅人風の男が歩いてきた・・・
墓標の墓守を任されていたヨルドン爺さんは、汗が止まらなかった。どう見てもイヒンだ・・・魔人ではない。それがなぜ南から来たんだ!?
「こんにちは。」
その男は、爽やかに挨拶してきた。おもわず目をそらしながら・・
「こ、こ、こんにちは・・・。」
旅人風ではあるが、過酷な魔海周辺を旅してきたようには見えない。
そもそも、ここヨドム村を通らないと魔海には行けないはずだ・・
山脈を越えた話は聞いたことがない。魔海を渡るより過酷だ。
「お尋ねしますが、ここは何という村なのですか?」
驚愕だった!ここワーガ大陸を旅しているはずなのに・・・ヨドム村を知らないとは・・・
「こ、ここは、ヨドム村といいます。」
「そうですか。ここには始めてきたので、知らないことが多くて・・。」
そんな訳がない。そもそも村の南側を、普通のイヒンが旅できるはずがない。それでも旅服が傷つきボロボロなら少しは信じよう。でも彼の旅服は小綺麗なのだ。
「そ、そうですか・・・あ、あの・・・。」
「はい、何でしょう。」
「あ、あ、何でもありません。よ、よい旅を・・・」
「ありがとうございます。」
男は、颯爽と村に向かって歩いていった。どうみてもイヒンだ。だけど・・・ありえない・・・。ヨルドン爺さんは座り込んで、汗を拭った。
ここヨドム村は、しばらく前から落ち着きがなかった。なにしろあの大戦士オルグが復活したのだ。魔王の手先の魔人として・・・。オルグが死んだ場所が、魔海の中心部だ。それが復活したということは、今魔海で何かが起こっているということだ。一番近い村であるヨドム村が落ち着かないのも当たり前である。
そんなヨドム村に、南側から旅人風の男がやってきた。
村人は、男を見かけると一斉に目をそらした。村人同士の会話も中断し、そそくさと仕事のふりをする人も・・・
男が首を傾げながら、酒場風の建物に入っていくのを見届けて・・・
一斉に会話がはじまった。
「なんで南側から人がきたんだ?」
「ヨルドン爺さんは何か知っているのか?」
「どうみてもただのイヒンよ。」
「オルグ復活と関係あるのか?」
村人の視線は、酒場の中に向かっていた。
ヨドム村編?が始まりました。編というほど長くないかも・・・
しばらくは、ヨドム村周辺の話がつづきます。




