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第5話 ルララ村

橋を渡った、勇者の剣に選ばれた黒髪ロングの左下にほくろのあるかわいらしい勇者リコ、勇者の剣に選ばれなかった金髪ショートの泣き虫の少年ヤネン、その少年の家の隣人同い年の茶髪のボブっ子少女なじむ。

3人はルララ村の前までついた。

遠目から見てもこれと言って特別な物がなく木造建築の家があり、【ルララ村へようこそ】と書かれた木製の看板が置かれていた。

「やっと辿り着いたかぁ。坂道多すぎるんだよ。」

弱音を吐きながら山菜の入った篭を背負ったヤネンが口を滑らした。

同調するかのように答えたのはなじむだった。

「ほんとよ。久しぶりにクタクタだわ。」

腰に手を当てて如何にも疲労感のある姿勢で答えた。

その横にいるリコは息切れもせず剣を抱えていた。

「リコちゃんすごいね。もう私たちは疲れ切ってるのに。」

リコは額に少し汗を掻きながらも笑顔で頷いた。

「す、すごいわね。流石勇者に選ばれた子ね。」

そんな他愛の無い会話をしていたら村の民家から一人の成人男性が出て来た。

こちらに気づいた男性は走りながら此方に声をかけてきた。

「おーい!君たち勇者の人だよねぇー!」

少し戸惑いはしたが男性が着いた頃にヤネンが返した。

「はい。勇者のリコです。」

ヤネンが答えると男性は、より明るい笑顔を見せ話し続けた。

「だよねぇー!可愛い女の子!信託の通りだぁ!ささ!村長のところに案内するよ!」

男性の後に続き村の中に入り、周りの家より少し大きめの家の前まで連れて行かれた。

「そんちょー!ゆうしゃー!きたよー!」

案内の男性は村中に響き渡らんとする声量で家の前で呼びかけた。

家が揺れんばかりの声が返ってきた。

「うるさぁーい!」

玄関から初老の老人が出てきた。

「全くお前は声量も抑えられんとは!このバカタレが!」

初老の男性は案内をしてくれた男性に注意をしてから、此方に気づいた。

「おおぉ。勇者様でおられますか。これはこれは、お見苦しいところを。わしはこのルララ村の村長マサハネと言います。」

初老の男性は先程まで怒っていたが挨拶をする際には一目を置くしっかりとした挨拶が来た。

「こちらは勇者の剣を抜いた女の子。リコと言います。」

なじむがリコの紹介をしリコは少し気恥ずかしそうに頭を下げた。

村長は笑顔でリコを見て、家の中に入るよう促された。

案内され、畳と高価そうな壺が置いてある部屋に連れて行かれた。

村長は食事を用意させる為に部屋から出て行った。

リコはしばらく体を震わしていた。

何かを我慢している様子になじむは気づき声をかけた。

「トイレよね。私給仕さんに少し聞いてくるわ。待っててね。」

そうリコに耳打ちをし部屋から出て行くなじむ。

部屋には高価そうな壺と座布団の上で身震いをしているリコ、それを気にせず座布団を枕代わりにして横になっているヤネン。

リコは我慢が出来なくなったのか立ち上がり壺を持ち上げた。

「え?リコちゃん?」

ヤネンが気づいた頃には壺がリコの頭より高く持ち上がってる状態だった。

リコは勢いよく壺を畳にぶつけ割った。

「リコちゃーーーん!!!!!」

ヤネンは勢いよく起き上がり壺に向かった。

「ちょ、ちょ!何やってるの!どうしたの!え?!何で割っちゃったの? 」

ヤネンは何も反応して来ないリコに違和感を感じ振り向いたら、リコはスッキリした顔になっていることに気づいた。

「いや!そんな頑張った!みたいな顔しないで! え?!俺がおかしいの?わかんないんだけど! 」

リコは額の汗をぬぐった。

「ちょっとー!何かすごい音が聞こえて来たんだけど~?」

なじむが襖を開けると割れた壺の前で焦っているヤネン、座布団の上にリコがいた。

「あんた!何やってるの!」

なじむが勢いよく歩き足音がドスドスと聞こえた。

「いや!俺じゃないって!ほんとだって俺じゃないんだよ!」

目に少し水を貯めながら訴えていたがなじむには効かず逆に増長させた。

「リコちゃんがやるっていうの?!あんたどうせごろごろして倒したんでしょ!一緒に謝ってあげるから!ほら来な! 」

「だから俺じゃないって~」

割れた壺の前から襖まで引きずられたヤネンは半べそを掻きながらも抵抗はしていなかった。

なじむが部屋から出ようとした時に目の前には村長がいた。

「おおぉ!勇者のお連れ方どうされましたか?」

村長が怖いくらいの笑顔で接してきたので、なじむにもじっとりとした汗をかいたが、直後に正座をし頭を下げた。

「すみません!私が見てないばかりに!この馬鹿が村長の壺を割ってしまったみたいで!本当にすみません!」

「だから俺じゃないって~」

ヤネンは小さく独り言のように話した。

「こ、これは、、。」

村長は壺が割れたことに気づき壺に向かった。

壺の前でしゃがみ壺を見つめながら重く低い声で質問をしてきた。

「これは誰がやったんだね・・・。」

「この男ヤネンです。」

「俺じゃないです・・・リコです・・。 」

リコは座布団の上で大人しく座っていた。

「勇者様がこれを・・?」

「いえいえ!違います!この男が!」

「はい。俺じゃないです勇者がやりました。」

その瞬間、ヤネンの頭になじむのゲンコツが飛んできた。

村長は勇者のリコに顔を向けた。

リコは凛々しい顔をしながら頷いた。

村長は涙を流しながらリコの手を握った。

「おおぉ!試す真似をしてしまい申し訳ございません!やはり勇者様であられましたね!」

なじむとヤネンは口を開けただ呆然と話を聞くことしかできなかった。

「勇者様通る道壺無。これは我々ルララ村に聞く話でありまして!まさか本当だったとは。このマサハネうれしい限りでございます。」

なじむとヤネンは呆然とそれを聞き入る事しかできず、リコは少し照れ気恥ずかしそうに耳を赤くしていた。

ARKやりたすぎて、カワウソテイム出来たんですけど僕の不注意で亡くなったので小説を書きました。名前も付けられず悔しかったです。楽しく今日も書いてます。

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