第一話 加賀と金剛
ボォーーーン。図太い重低音が響き渡る。辺りには帆船が居てその中のいくつかの帆船がこの”大和”に向かってきている。そして数十メートル程の距離で接近をやめこちらの様子を伺っている。
と…ここで説明を入れよう。まず本艦、大和は異世界の世界に来てしまっている。(この大和は史実の大和とは関係ありません。)米軍との合同演習を行う予定だったが、突如黒い霧に襲われ気が付くと艦ごとここに来てしまっていた。そして乗員は艦長の神代楓のみ。艦自体は乗員一人で操艦戦闘が可能になっており機銃対空砲は自動で照準し発射するシステムが組まれていた。わけわかんないね。ちなみに主砲と副砲は手動だった。だけど装填やその他諸々は自動で照準をして発射ボタンを押すだけだった。そして今は明らかファンタジー(転スラとかの異世界系の世界)と同じような世界が広がっていて本艦は今港に向かっている。そして数百メートル手前で停止させた。これ以上行くと座礁する恐れがあった。小型ボートで陸に上がるとメイドみたいな人にお城の応接室みたいなところに案内され女王らしき人と家族が現れた。
「あなたが…神の使い人様…!そしてあれが…?」
「使い人かどうかは知りませんが…あれは大和です。大和型戦艦。」
「やはり…!あれは戦艦…ですね!」
「…?」
楓は首を傾げた。なぜかと言うと今の言い方はまるで”過去にも来たことがあったような”言い方だったからだ。
「あぁ…説明不足でしたね…案内したいところがございます。ご同行を…」
「あ、はい。」
そう言って部屋を出たのだった。いい忘れていたが女王の名前はフリーレと名乗っていた。
「………は?何で…?」
「やはりあなたにはこれが…」
案内されたところにあったのは、港に止められた、航空母艦加賀と巡洋戦艦金剛だったからだ。
「この艦は数千年前使い人様達がお使いになられた艦です。」
フリーレの話によると数千年前この艦を使って滅びかけていた、フリーデン王国の手によって滅びかけていた、ここラステノ共和国を救った艦だったそうだ。
「そんな事が…じゃあ…今のこの国は…?」
「はい…再びフリーデン王国によって滅ぼされそうになっています…。つい先日宣戦布告状が届きまして…そこに、たまたま使い人様が現れて…」
「協力…ですか。」
「はい…。」
楓の中で答えは既に決まっている。先人達がそうしたように自分も。
「協力します。」
「ありがとうございます…!具体的な話はまた明日やりますので今日はごゆっくり休んでください!ポノ。案内を。」
「はい。こちらです。」
部屋に案内され、頭を整理していた時、目の前にいきなりバソコンのウィンドウが現れそこには様々な品が表示されていた。びっくりして近くにあったばつボタンを押して消してしまう。我に帰りもう一度ウィンドウを開く。そこにあったのは主に戦闘機や戦車、そして砲弾。その他にも食料はお菓子まで色々揃っていた。
「これは…使える…!」
そう言って眠りにつくのだった。