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飲食店の炎上マッチポンプ商法

作者: ぶんかなっとう

 店が昨日から炎上している。

 もちろんネット上での話で火事ではないのは説明しなくてもわかるだろう。

 発端は客の一人が迷惑行為をして動画をアップし拡散したからだ。

 お客は非難され攻撃の中傷が続いて海外のテレビにまで紹介されるまでになっている。

 さすがにここまでとは思わなかったが宣伝効果と考えれば許容範囲だ。

 世間では店を助けようとする動きが起きて、当該店舗にはお客が炎上前より増えている。

 

 ここ最近店の売り上げが悪く、色々な試みをしていた。

 釣り広告と言われることも何度かやってみた。

 目玉商品を限定で提供する予告をして実際は数を揃えないで希少価値を上げるとかやってみたが、思いのほか非難され逆効果だった。

 万策尽きたと思っていたところお客さんから提案があった。

 炎上させれば注目を浴びることができる、未成年なら大人ほど非難はされない顔も出ることは無いし許されるだろう、世の中はそんな動画に溢れているが有名店舗では事例が少ない。

 乗っかるなら話を整えておく、謝礼は優待券一生分でいい、動画の収益と目立ちたがりのバカな若者は飲食代を無料にさせれば喜んでやってくれる。

 店としては被害者側になるので問題ないと考え依頼をすることにした

 そして想定以上に炎上した。

 実行した19歳の少年にモザイクがかかっていたが当該店舗はすぐに特定され、髪色しかわからないのに実名と出身校まで特定され卒業写真が広がり個人が特定された。

 世間では少年と両親に非難が集中し損害賠償をすべきだとかが出てきた。

 確かに株の時価総額は一気に落ちたが、それはデイトレーダーによる一過性に過ぎないし、店も想定していた。事前に空売りをしていたのでさほど損害はでていないし、時間が経てば回復するだろう。

 ただお客さんの多くが店にこれほどまで同情的とは考えていなかった。

 むしろ過去の宣伝の失敗でマイナスイメージが強いと思っていたからだ。

 庶民の味方の業界を救えとかの動きが起きた。

 これほどな好意的な効果が出るとは。

 実行した少年と家族に多少は申し訳ないので和解案を提示した。

 弁済額は20億円、期限は1000年とする。

 これなら店は懐の深い人道的な評判が立つだろう。

 すると世界中から少年を救おうとする動きも現れて援助金が寄せられた。

 いろんな考え方をする人はいるもんだと思う。

 こんなことは二度とできないが、他の店や業種では流行るかもしれない。

 実際に多くのアプローチがあった。

 これならいくら炎上しても結果オーライで温暖化にもならない企業活動だと。

 今回の反省事項を精査して炎上マーケティングコンサルをしていこうと考えている。

 

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