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大好きな幼馴染がほかの男にとられないように頑張ります  作者: 完成された欠陥品
第二章

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27/33

 まねきたこの前についたところで、待っている仲間さんの姿が見えた。しかし、一緒に春香を探しているという相場 紗月(あいば さつき)の姿が見えない。


「仲間さん、相場さんは?」


「先に駅のほうを探してるって。」


 確かに、二手に分かれたほうが効率はいいだろう。暗くなってきているし、駅のほうなら人もいるので女の子一人でも安全に探せるだろう。


「なら、仲間さんはそっちと合流して。直人に協力をお願いしているから、駅のほうで合流して探してほしい。

 俺は路地裏とかに連れて行かれてないか探してみる。」


 連れ去るとしたら街中を通っていくことは考えにくい。人気の少ない場所などで目立たないようにするのがセオリーだと思う。


「うん、わかった。甘江田君も気をつけてね。」


 仲間さんは、駅のほうへと走っていく。

 愛原君の家は直人に聞いていた。だから俺は、一番に愛原君の家に向かうことにしていた。


「うん。仲間さんも気を付けて。」


 愛原君の家は駅から徒歩十分くらいの住宅街にある。春香が消えてから40分~50分程度。自宅まで連れていくには十分な時間だろう。

 それに、愛原君の両親は家にいないらしい。というより、父親が海外赴任になり、母親もそれについていったため一人で暮らしているらしいのだ。


 だとすれば、都合がいいのではないかと思うのだ。連れ込んでも誰にもバレはしないだろうし。


「春香。」


 気が付けば名前を呼んでしまっていた。どうか、無事でいてほしい。

 こんなことなら、昨日、彼女のハジメてを貰ってしまえば良かったという独占欲みたいな暗い感情が顔を出す。

 昨日、抱いていたとしても春香が傷つくことは変わりないのに。


 息が上がってしまい、呼吸をするたびにのどがズキズキと痛む。今の自分には走ることしかできない。なのに、走ることすら邪魔してくる自分の体にイライラする。


 乳白色の壁のおしゃれな一軒家が目に入る。直人から聞いていた愛原君の家の特徴と一緒だった。カーテンは閉められているものの、隙間から電灯の明かりが漏れ出ていた。

 表札には確かに愛原と書かれていた。


 たまらず、叩きつけるようにインターホンを鳴らす。

 喉からはひゅっひゅっと音がしており、ここまで相当無理して走ってきたのを感じる。


「あれ、甘江田君?

 今出るから待っててくれ。」


 インターホンから彼の声が聞こえる。叫びだしたかったが、息が上がりすぎて声は出なかった。

 ほどなくして、愛原君が玄関から出てきた。家の中からは笑い声が聞こえており、中に誰かがいるのは確かだった。


「どうしたんだ?というか、俺の家を知ってたんだな。」


 なんでもないように、愛原君が笑って話しかけてきた。


「愛原君。

 春香が、思井春香が消えたんだ。君の家にいるんじゃないのか。」


 そして彼女の尊厳を奪おうとしていたんじゃないのか。と、声には出さなかった。


「思井さんが?

 家の中を見せてもいいが、今日は両親が帰ってきているんだ。だから、あんまり疑うようなことを言わずに友人として家の中に入る分には構わない。」


 愛原君の後ろのドアが開いた。

 出てきたのは愛原君とよく似ているものの、少し渋い魅力のある男性だった。


「拓真、お友達かい?」


 おそらく、お父さんだろう。こちらを気遣うような優し気なまなざしを見て、しまったと思った。おそらく、ここにはいないだろう。

 俺が考えていたシナリオなどなかったということだ。


「あぁ。父さん。少しだけ出かけてきてもいいかな。

 少し甘江田君とは行き違ってしまったみたいで、ゆっくり話したいんだ。」


「あまり、遅くならないようにしなさい。

 甘江田君も、拓真をよろしく頼むよ。」


 すぐにでも、探しに走り出したかったが、それは良くないだろう。

 俺は勝手に愛原君を犯人だと決めつけて来て、家族のだんらんを邪魔したのだ。


 俺がペコっと頭を下げれば、愛原君のお父さんも頭を下げて家の中に入っていった。愛原君が、俺の腕を掴んで道路のほうに歩き始めた。


「甘江田君、一つ思い当たりがあるんだ。」


 その一言に息をのむ。

 同時に、携帯が鳴った。直人からの電話だった。

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