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一時間目の休み時間、俺は次の授業の準備をしていた。
春香のほうはクラスメイトの女子達に囲まれている。春香自身もみんなと話したいのだろう、楽し気に照れたように表情がコロコロ変わっている。
「真一もやっとか。
あんな可愛くておっぱい大きい美少女なんだから自分が釣り合わないとか言ってないで早くしないとほかの男に取られるって言ってたのにさ。
ずっと頑なに告白しないって言ってたから。いい形になって本当によかったよ。」
俺の唯一の親友の茅原 直人が声をかけてきた。昔から恋愛相談など春香とのこと相談していた男だ。
何より、俺が意地を張っていたことをよく知っていたやつだ。
「あぁ、ありがとう。自分でも春香のやさしさに甘えていたなって思うよ。」
「真一、愛原と出かけてた話って思井さんに聞いたのか?」
直人が周りを気にしながら声を潜めてしゃべる。
先日のことが気になっていたのだろう。
普段は告げ口みたいなことはしないやつなので、その時は俺のことを本気で心配していたのだと思うのだが。
「聞いたけど、今は答えられないってさ。
俺のためだし、すぐにわかるから今は言えないって言ってた。」
なんとなくわかるような気もするが、はっきりとはわからない。
「あー、なるほどなぁ。
それと一昨日は急に連絡して悪かったな。」
「いや、むしろありがとう。
お陰で腹が決まって、春香と付き合うことができた。」
ばつの悪そうな直人の顔に少し笑ってしまうが、直人のお陰で腹が決まったのも事実だ。それに、直人には昔から早く告白しろって言われてたのだが自分を磨くことに執着したせいでこんなに先延ばしにしてしまったのが原因なのだ。
「まぁ、何より後悔しない選択ができりゃいいのさ。
中途半端が一番後悔しちまうからな。その前に行動できている分、直人は頑張ってるってこっちゃ。」
チャイムが鳴るからまたなと直人が席を離れていった。
少しして授業が始まった中で、後悔しないように俺は何をすべきか考えていた。
そして、ずっと何かが引っかかっている気がしていた。そう、愛原君のことだ。
春香と愛原君が出かけていたのは理由があったのだろうし今更どうのこうのというつもりもないのだが、さっきの視線が気になっている。
いつもニコニコしていて、多少口が悪いが優しいイケメンと評判の彼らしくない表情だったから。放っておいてはいけないと、俺の勘。
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