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三通目

三通目







二通目、すぐに目を通してくれたみたいですね。

君なりの見解も聞けて、面白い返事、ありがとう。


前の手紙を出したのは、連休前だったもんで、君が二通目を読んだのは、連休明け、昨日って事になるのかな。



まさか、連休明けに直ぐ返事が来たから、ビックリしました。



連休中、色々ありすぎました。



あのあと、日曜日の夕方、三人の姉達を居間に集め、ここ数日の事について真理子と聞いて見ました。



引きこもりの真由子ちゃんは、コンビニに売っている某高級アイスで釣りました。


本題に入ります。


僕より、真理子の方がもう止まらない状態で、熱くなってました。

彼女の好奇心がそうさせたのか。


次女の真美子ちゃんは適当に馬鹿らしことを言って誤魔化してましたが、いい加減、僕も理由位きかせろっちゅうの!!これ以上誤魔化すなら、協力は断固拒否する!と、強気に出て見ました。



そして、長女であり、家長でもある真衣子ちゃんが口を開きました。




四谷家は元々、画家の家系で、私達三人は父の描いた絵を集めていた。

行方不明になった父の…。

そして、某情報機関の助けで、父の描いた絵の贋作が最近出回っている。

そして、その贋作を流している組織と関口くんが関係あり、贋作があるって事は、本物ももちろん、彼等の手の中にあると睨んだ真衣子ちゃんは、僕と真理子を関口くんに近づけさせ、関口くんの情報を手に入れていた。


そして、上手いこと組織のアジトがわかったら、真衣子ちゃん、真美子ちゃん、真由子ちゃんがレオタードの怪盗になって…。




って、何の漫画だ!!




だいたい、オトンは健在だろ!!昨日も僕のバイト先のパチンコ屋に打ちにきとったわ!


しかも、例えオトンが行方不明になっても誰も探さないだろ!!

画家の家系なんて、初耳だ!!


突っ込み処満載の真衣子ちゃんの話に、真由子ちゃんが口を挟んだ。

レオタードって、幾らすんの?


もはや、真面目に取り合ってくれない姉達に僕と真理子は心が折れそうになりました。

てか、折れました。

どうしても、真面目に話す気がないみたいで、真面目に姉達に協力する事を拒否しました。


しかし、家賃、食費、光熱費は、この三人の姉達のお金です。

そこを突かれ、僕と真理子はまた、あの任務に逆戻りするハメになりました。


車の免許代も半分、立て替えてもらったばかりだったので…。



そして、また新たに、僕に任務が追加されました。


マークン、明日からウチのキャバクラでボーイしなさい。

真美子ちゃんでした。




真美子ちゃんは、キャバクラでは店長と仲が良く、僕はバイトを一つ増やされ、睡眠時間が減らされるという、しょっぱい連休になりました。

パチンコ屋の早番を入れていたので、夜キャバクラのボーイはキツイです。


関口くんは、真美子ちゃんの事を知っていて、人手が足りないから弟連れて来た。と、彼女の話を自然に受け入れてました。


そこでも、関口くんは誰にでも敬語でした。


ファミレスで働いている、関口くんとは何ら変わりのない。


そして、何故真面目な関口くんが大学を休学しているのか、なんとなく聞いて見ました。

会話がなかったもんで。

突然、関口くんの顔が曇り出し、人間関係のイザコザ。と、一言だけ言って後は何も喋らなくなりました。


人間関係のイザコザ…。


姉達が関口くんを嗅ぎ回っている事と何か関係があるのか。

僕は、ソレについて詳しく聞こうと思い、関口くんの近くに行こうとしたら、丁度お客が来たので断念しました。


まあ、またいつでもいいか。などと思っていたら、仕事中の真美子ちゃんに肩を痛いほどひっつかまれ、あの、今入って来た客にアタシを付けろ!!

と、物凄い形相で脅されました。


言われた通りにしました。

怖かった。


年齢は僕達の二、三上位かな。今時の若者風で、真面目か、不真面目かといったら、不真面目そうな三人組でした。


真美子ちゃんは、その内のリーダーっぽい男につき、営業スマイル全快でビールをオーダーしました。


リーダーっぽい男、僕はリダオと命名。は、偉そうに、威張り腐った態度で、関口くんを呼びました。


リダオと関口くんは知り合いの様です。


関口くんは、ビクッと身体を震わせ、暗い顔でリダオの客席へ。


何か話をしてる様でしたが、関口くんは一方的にペコペコして、リダオに何か言われていました。


ソレをシッカリガッツリ真美子ちゃんは聞き耳立ててました。

聞いてないふりをして。


良く解りませんが、キャバクラは指名でもされない限り、数10分で他の女の子が着きます。

真美子ちゃんは、まんまとリダオから指名を取り、その席に居座る事に成功したのです。


スパイ映画の様でした。


指名の取り方は下品極まりない言葉を連発しただけであっても。

リダオは女を見る目がないな。可哀想に。


そして、店長からも話を聞けました。


リダオ達のグループは、乱暴で質が悪く、あんまりいい客じゃない事、気の弱い関口くんをいつも呼び出してはからかっている事、関口くんとは同級生だったらしい事、関口くんが大学休学した事と、リダオは関係あるのかないのか…。



等々でした。



ソレと、ウチの姉達と、一体何の関係があるのか。


マダマダ、情報が足りません。


しかし、連休中思わぬ収穫がありました。


関口くんの休学している大学は、僕の行っている大学なのです。


そして、リダオ達も同じでした。


連休開け、学校が始まったら何らかの情報を掴むために、頑張ろうと思います。


それでは。また何か解ったら。




五月八日 四谷 政行

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