化け猫の棲む村 序章
神手司、最後の物語になります。
様々な謎を解明しつつ、自らの前世の因縁と謎に挑む最終章。
かなり遅筆、不定期更新になりすが、最後までお付き合いをお願いします。
遠い昔、まだ日本が1つの国に統一されていない時代。いくつかの小国には政を行う霊能者たちがいた。それは祭司であり、巫女であり、超常的な能力を持つその者たちの占いなどで政治を行っていたのだ。特に有名なのが5つの氏家である。最高の霊能者であり祭司である神地王天を生み出した神地王家。そのアマツを補佐し、共に国のために悪しき魂と戦った幽蛇宮神楽を生み出した幽蛇宮家。アマツとカグラ、その2人の祭司を支え、共に戦った巫女である竜王院命を生み出した竜王院家。さらには九州地方を治めていた小国の王族であった我龍泉家。東北地方にあった小国の占術師の一族である鳳凰院家。それら5つの氏家の力は日本が1つの国家に統一された状態になっても強大な力を誇ったが、歴史の中に記されることのない存在となっていた。それから2千年の時が流れ、その5つの家系も今や能力を失いつつある。現存するその家々の継承者たちの中でも神地王家、そして幽蛇宮家の継承者しかまともな霊能者はいないのだ。だが、異端の存在もまた確かに生まれている。それが神咲神社の若き宮司であり、アマツの生まれ変わりである神手司だ。霊を滅ぼす封神十七式と呼ばれる術式を扱い、さらには神地王家に代々伝わっていた霊的宝具である魔封剣を扱う世界最強の霊能力者である。そしてそんな司を補佐し、支えるもう1人の霊能者が未生来武だ。彼もまたカグラの生まれ変わりであり、弱弱しいながらも霊能力を持つ青年だった。かつては友であり、そして宿敵となったアマツとカグラの生まれ変わりである2人は司の父である神手信司の指示で日本各地の霊的な異常現象を解決すべく動いているのだった。司の全てを受け入れている来武と、前世の因縁かその来武を嫌う司が数々の難事件に挑む。知る人ぞ知る彼らは怪奇現象解決ユニットとして、現代日本の都市伝説になりつつあるのだった。