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目覚めてみれば



(…周りが…うるさい?)


ボンヤリとしながら目をユックリ開けた雛は、そこが病院では無い事にビックリしていた。

心臓発作をおこした後は大抵病院で目が覚める事の方が多かったからだ。


それに辺りを見渡すと、ここが牢屋であることが伺えた。


「えっ!!なんで牢屋!?」


その声が聞こえたのか一人の男性がこちらに話しかけてきた。


「※※※※※※※※※※※※?」



(な、何を言ってるのか全然わかんない…)


「※※※※※※※※※※※※※※?」



金髪碧眼の優しそうなお兄さんがこちらに向かって何かを言っているがその内容は全然把握出来なかった。


英語でもフランス語でもドイツ語でもない全くの聞き覚えのない言語で話されて訳がわからなくなる。


「えっと…何を言ってるのか…わかりません…」



(あっ…お兄さんもビックリした顔してる)



「※※※※※※※※※※※※※?」


困った顔をしながらもこちらに話しかけるお兄さんがジェスチャーで待ってろって感じの事を伝えてくるとそのまま出ていってしまった。



「えっ?出してくれないの!?」






しばらく待つと背の高いカッコイイ人と一緒にさっきのお兄さんが戻ってきた。


お兄さんもカッコよくないという訳では無かったのだが、この人は別格だ…と溜息をつきそうになる。


金髪碧眼で背が高くてありえない位カッコイイ…

軍服の上からではよくわからないかもしれないが、きっと筋肉も程よくついているのだろうと思われた。


「※※※※※※※※※※?」


(やっぱりカッコイイお兄さんの言ってる事が全くわからない)



「すみません…わかりません…」



シュンとしながら謝るとなんとなくわかってくれたのか溜息をつきながらも笑顔で首を振った。



そしてしゃがみこんで目の高さを合わせてくれたかと思うと同じ言葉を繰り返した。



「ジャンダル…ジャンダル…ジャンダル」



自分を指差しながらユックリと繰り返す言葉にその人の名前だとわかった。


「…ジャンダルさん?」


その言葉を聞いたジャンダルがニッコリ笑って頷いてくれた。


そして私の方を指差して首を傾げてきた。


(何!このカワイイ生き物は!)


その突然のカワイイ仕草に思わずカワイイと呟いてしまう。



「カワイイ?」


私を指差しながらカワイイ?というジャンダルを見て私の名前をカワイイだと思ってしまったのだと思って慌てて首を振った。


「違います!ヒナ・キサラギです!ヒナ!」


「ヒナ?」


そう呼ばれて何度も首を立てに振った。



ニッコリ笑ったジャンダルに少しポーっとなりながら次の動作を待った。


「ヒナ※※※※※※※※?」


自分の名前が呼ばれたのはわかるが、その後に何を言われたかがわからなくて首を振る。


少し考えたジャンダルがこちらに手を出して指を一つづつ立てていく。


「ジャンダル※※※※※※※※※※」



自分の名前を言った後に指を立てて同じ回数で手を止める。

何度かそれを繰り返した時にやっとわかった。


「年齢を聞いてるのね!」


毎回28で手を止めるジャンダルにやっと言いたい事を理解した雛が同じようにしながら答えた。


「ヒナは18です!」



するとジャンダルと後ろのお兄さんがビックリした顔をしながら叫んだ。


「※※※※※※※※!?」



「※※※※※※※※※※※※※※!?」




(え?そんなにビックリする事?)



そう思いながら立上がると、ひざ掛けが落ちた。


その瞬間2人が赤くなりながら首を振り足を隠す仕草をする。



(えっ?足出しちゃいけないの?)


不思議に思いながらもひざ掛けで足を隠すとあからさまにホッとする2人がいた。



「※※※※※※※※※」


「※※※※※※※※※※※※※※※※」




なにを言ってるか理解出来ないなりになんとなくあたりをつける。


(ここでは足を出すのがいけない場所なのかな?)


他の国で顔を出すのがいけない国があったハズ…

だけどここは日本のどこかだと思っていた雛は混乱していた。



言葉が通じない外国の人に牢屋に入れられて、足を出すのがいけない国…



(いったいここはどこなの!?)


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