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騎士団団長




それからしばらくの後にクランベル王国騎士団に一報がはいる。


「国境近くの林に怪しい女が倒れております!」


騎士団団長のジャンダルはその一報に目を眇める。



身長が2m近くある長身で切れ長の目、鼻筋も通っておりかなりの美男子である。

鍛えているにも関わらず細マッチョなジャンダルはこの国でも有名な団長だ。


老若男女からの支持は絶大でこのクランベル王国の英雄とも呼ばれている男である。


「怪しい女?」


「ハッ!子供ではあるのですが見た事もない服装をしております!」


「見た事もない服装か…近隣の国の者でもないと言うことか。」


スパイか何かか?とも思ったが、なんともお粗末な手腕にそれは無いかと思いなおす。


「この辺りではまずいない黒髪をしており、靴は履かず、…その…足を出しております」


「足を?」


このクランベル王国では女性はみな足首まであるスカートをはいている。

子供の頃からそれは徹底されており、大人になり足を見せるのは夫になる者に対してのみと決められている。

ある程度大きくなれば女性同士であってもまず足を見せる事は無くなるのだ。



それを足を出している…

この王国ではそれは破廉恥な事であり許されていない。


「その子供がどのような姿をしているかはわからんが、とりあえず牢に入れておくか…」


ため息をつきながらジャンダルは刺客ではありえないと思っていた。


だがこのまま放置も出来ないので、とりあえずその子供の姿を隠さなければと思ったのだ。

旅人ならば事情を説明して足を隠して貰わなければならないし、もしも刺客ならばどこの差し金かを調べなくてはならないからだ。


そして何より放置をしてその子供が攫われてしまうのが心配でもあった。


何故倒れていたのかという事も心配ではあるが…


この王国では禁止されているが近隣には未だ奴隷を扱っている国もあるのだ。


たまに自国の子供も攫われてしまうのだが、その全ての人が見つかるとは言えないのだ。


(黒髪だとも言っていたな…)


この王国ではまず生まれない黒髪はとても貴重な存在だ。


(もしや奴隷商の所から逃げ出してきたとか…)


考えても答えは出るはずもなく、まずはその娘に会う事にした。


「まずは牢に連れていくように!」


「ハッ!」


「聞き出せる所までの尋問をお前に任せる!何か有れば報告するように!」


「了解致しました!」


「ただし!傷をつける事は許さん!」


「承知致しました!」


そう言って出ていく部下をみながら溜息をつく。

何故か不安感が湧き上がって来るのだ。




そしてその部下はすぐに戻ってくる事になった。


「申し訳ありません!団長!あの娘の尋問をしようとしたのですが言葉が全く通じません!」


その言葉を聞いたジャンダルは長〜い溜息をつくことになった。

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