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いざ!謁見へ!




     謁見室前




「こちらからは私は入れませんので…」



ゲッソリした雛にそう言って端によるマリー。


そこにはマリーによって仕上げられた芸術品ともいえる姿をした雛が、大きな謁見室の扉を見上げながらうんざりする。


(もう…溜息しか出ないわ…)



ブルーのマーメイドラインのドレスは胸元が少々セクシーになっていた。

いつもならこんなデザインのドレスは選ばないのだが…

治癒魔法で傷跡が消された雛は有頂天になってしまい、後々の事を考えず胸元が開いたドレスを選んでしまったのだ…。


(さっきはメチャクチャテンション上がってたけど…国王様に会うって事を忘れてたわ…)



薄い紫のイヤリングと同色のネックレスがとても品がいい。


(この宝石凄く綺麗だけど、なんて石なんだろう?)



そんな事を考えていると、謁見室前の衛兵が時間になったと知らせてきた。



(…い、いよいよね!)



ユックリ開いていく扉にゴクリと喉がなる。


扉の先に豪華な広間が見えてきた。


(ふぅおおおおお!!何これ!何これ!メチャクチャ豪華じゃん!)



各国の大使とも謁見する場所なのだから質素な部屋な訳はないのだが…

そんな事にも頭の回らなくなってる雛は心の中ではテンションアゲアゲな状態であったにも関わらず、それが表に全く出ていなかったのだ。


初対面の人なら必ず勘違いする事だろう…


なんておしとやかな人なのだろうと。



それは目の前の豪華な椅子に座っていた国王も例外では無かった。




(確か目の前まで歩いたら立ち止まって礼をしてから…)



教えられていた謁見の作法を思い出していく。

なんとか最後までやり遂げるとホッと一息ついてしまう。


「面をあげよ。」



ユックリ顔を上げていくと国王様の顔が見えた。



(!!!!カッコ良すぎなんですけど!?)



見ただけでわかる程のサラサラな銀髪と薄い紫の瞳がとても綺麗で見惚れていると…



「確か18だと聞いた覚えがあるんだが?」



なんの事かわからず黙っていると国王様が続けた。


「まだ子供じゃないか。」



(なっ!子供って!)



「大人しい子供だな。本当の年はいくつなんだ?」



(本当の年って…一体何才に見えてんのよ!)


緊張からの怒りで口が固まったままだった雛は心の中で憤慨していた。



「陛下…雛は18ですよ。」



ジャンダルのフォローにも耳をかそうとしない国王の横から宰相の咳払いが聞こえてきた。


「陛下…名乗る前に女性の年齢を聞くとは失礼にも程があるのでは?」



(おじいちゃん!よく言った!!!)



未だに一言も話していない雛は心でガッツポーズをする。



「私はクランベル王国の国王でレオンハルト・ハイム・クランベルだ。」


少々気まずそうにしながら名乗っていく。


「如月雛です。確実に18才です。」


ニッコリ笑いながら年齢を強調してみる。


(でもやっぱりカッコいい…特にあの瞳が綺麗…)


「色々と質問があるが構わないか?」



「………」



「雛?」


名前を呼ばれてハッとしてしまう。



「すみません!瞳の色が綺麗で見てしまっ……!」


そこまで言ってからしまったと口を閉じる。


(は…恥ずかしい!)


チラッと見ると顔を少し下に向けて肩が震えていた。


(わ、笑われてしまった…)



「この瞳の色は王家の者に多い。

魔力が高いと紫になるようでな」



魔力の多さによって瞳の色が違ってくるそうだ。

必ずしもそうとは限らないとの事だが概ねといったところだろうか。

茶色が魔力無し、もしくは少しだけ。

碧眼が高い魔力を有する者。

そして薄い紫がそれ以上の魔力を有するのだとか。

王家に多いのは、歴代の王家が魔力保持者を取り入れていったからだとか。

だがそれは人に限りとの事だが…


「人に限りってどういう事ですか?」



「獣人は魔力より身体能力が発達しているし、龍族はそのどちらも…といった所か。」



「…えっと…すみません…獣人って?」



「獣人を知らないのか?」



おずおずと頷く。


「人の姿に獣の耳と尻尾を有する者たちの事だ。」



雛の頭の中には狼男のイメージが出来上がってしまう。

映画とかでは人を襲ったりするその姿に怯えが出てしまう。



「……雛は獣人を嫌悪する人なのか?」



「………嫌悪というか……怖いです…

私のいた所では獣人という方はいなかったのもありますが…

映画とかだと人を襲ったりしてましたから…」


それを聞いたレオンハルトは少し笑ってしまう。


「獣人は人と同じだ。

耳や尻尾が獣と同じだけで、他は人と変わりない。

反対に身体能力が発達している事から人に狙われたりしている。この国では奴隷を禁止しているが近隣の国ではまだまだ奴隷は沢山いるからな…」



溜息をつきながら話すレオンハルトのその話しに雛は興味が出てきた。


「人と同じ…そうなんだ…おしゃべりしたりしたいな!

運動神経が良いなんて羨ましいかも。

後、龍族って何ですか?」



「龍族も雛のいた所にはいなかったのか…

獣人は耳と尻尾が獣と同じだと言ったが龍族は人と見分けがつかない。

ただ人と違うのは龍の姿に変身出来る事だな。」



変身の一言に目を丸くしてしまう。



「じゃあすれ違ってもわからないの!?」


「見てわかる人はそういないな。

だが龍族は気高い人が多い、この世の王者たる存在だ。」



「いつかは変身した姿をみれるのかな?」



「それはどうだろうな?

龍族は普段人として生活しているからな。

龍族であるとは自分からいう人はいないだろう。

今人が国々の王者でいられるのは龍族が表立って活動したがらないからというのもある。」


「へぇ〜」



「だか龍族を怒らせると国の1つ位簡単に滅びる。

それほどの力を持っているんだ。」


その言葉にゴクリと喉がなってしまう。

人とかわらないという事はどこに龍族がいるかわからないという事だ。

もし間違って龍族を傷つけるような事をしてしまったら、自分だけではなく国も滅びるという未来しかない。


「安心しろ。

人間では龍族に傷1つつける事も困難だろう。

それに龍族はみな温厚なのが多いからな。

良き隣人といった所だ。」



その言葉に雛は安堵の溜息をついた。




チマチマと書いてましたが、どこで切ろうか迷いに迷いここまできました(^_^;)

話しの区切りで1話としたかったのですが…このシーン長すぎましたw


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