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見る。学舎

続きです



テレビでよく見る英雄(ヒーロー)

幼い頃はそんな英雄(ヒーロー)のような、特別な存在になるのが夢だったような


夢は所詮、(ただ)の夢だ


凡人は凡人らしく生きて、凡人らしく死ぬのだ

この定めは決して変えられないのだろうか






 私は異世界に降りたったのだろうか。目の映る光景に、私は美しさどころか敬仰の念も抱いてしまった。

 威厳強く緑の大地にたたずむ煉瓦造の学舎。さらに、広がり輝く海が、コントラストとなって、この景色をさらに彩色していた。

 単調な町で生まれ育った私にとってその場所はエデンの園か桃源郷か、はたまたアルカディアだったのかもしれない。






州立(セント)アイナ魔術学校




 元を辿ればエルフ族の魔法教室が元となっているらしい。伝承によれば、エルフ族の魔導師アイナが神託を受け、若い世代に民俗的な魔術を教えたのが始まりであるという。

 しかし、少し前に起こった近代化という波に逆らえず(エルフ族にとっても、自然の中で面倒な伝統的生活をするよりは、非常に快適で文明的な生活を送りたかったらしい)魔術教室は存続の危機にさらされた。

 幸いにも今学舎が建っている州の知事が魔術教室を受け入れたことにより、州の湖のほとりに建てられた。

 これが現在の(セント)アンナ魔術学校となっているのである。






 私は聳え立つ校舎に目を奪われながらも、列車を降りた。例のツインテ少女から解放されたのも少しあるが、毎日、異世界のような環境で送れる生活を考えると、身体が心地良くなる気分に浸かった。



 ただ、平凡な自分がこの場所に居られる存在なのだろうか......







 入学式



 それは集いし者が初めて学生という称号が与えられる儀式



 この崇高な儀式が400人の入学生による驚嘆と動揺と怒号で溢れかえることになるとは、私も予測できなかったし、ツインテ少女も同じことだっただろう

続きます

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