表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

山の天気

作者: 尚文産商堂

人の心も、まるで山の天気のように変わりやすい。

好きだと言っていった彼女は、いつの間にか嫌いになっていたようだ。

「……別れよ」

「えっ」

家にいるとき、これからどうしようかという話の途中、唐突に彼女に告げられた。

「なんで……」

「なんでって、私のこと、どうでもいいんでしょ」

俺の言葉にいちいち突っかかんでくる。

「どうでもいいわけないじゃないか」

「嘘つき」

俺が握ろうとする手を、彼女は払いのける。

「なあ、待てって」

立ち上がって出ていこうとする彼女を、俺は後ろから抱きしめる。

「ごめんな、そんなこと思わせてしまって。だから、これはお詫び」

手に持っていたものを、俺は彼女に見せる。

「これって」

「結婚してほしい。こういう格好になってゴメン」

瞬間、彼女は泣いていた。

思わず離れる俺、こちらに振り向いて思いっきり抱きしめていく彼女。

「私こそごめん。疑ったりなんかして」

人の心は移り気だ。

それこそ、山のようにどっしりと動かないときもあれば、風のようにすぐに消し飛ぶこともある。

それでも、俺は、彼女と添い遂げたいと思っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ