(75) ~ 開幕
ぱらり、ぱらりと本をめくる音だけが響いている。
その音は、柔らかなソファに寝そべっている青年の手元から聞こえていた。
その傍らには、先端にカンテラが取り付けられた木製の杖が立てかけられている。カンテラの中で、青い炎がゆらゆらと揺れていた。
すると、その炎から声が聞こえた。
「おい、若作り野郎。まーだ外に出ねえつもりか」
「うん、だって俺が助けてあげる人が、まだ来てないから」
繰り返される問答。何年と続けたやりとり。
炎が大きくふくれて、さらに青年に悪態をつこうとしたそのとき、青年が本を閉じた。
世界の壁を越えて、誰かがここへやってくる。
「ほら、世界を救う、勇者様のおでましだ」
そう言って、青年は机の上に本を置くと、カンテラ付きの杖に手を伸ばした。
…… Brave sideへ
第六章『未来へ』、これにて終了です。
ものすっごい駆け足で、いろいろ終わってしまいました……。
とりあえず、私が書きたかった内容は半分ぐらい書いてしまいました。そしてストックが完全に尽きました!!!
ここで一度、オズが主人公のお話は終わりです。ぽつぽつ更新中にネタバレていたように、次は『彼女』が登場する話になります。
が、それはそれで長い物語になる予感がひしひしとするので、この話を持って更新をいったんお休みさせていただきます……。
完結、とまでは絶対に行かないでしょうが、ある程度続きがたまったら、また更新を再開したいと思います。
どかどかと荒削りな文章ばっかりで、ろくに推敲もしていない物語でしたが、こんなにお気に入りに入れてもらえてものすごく嬉しいです!
見る度増える数字にビビりまくりではありましたが、楽しみにして下さる方がこんなにいると思うと、自然と気力が沸いてきました。
もう一つの連載『アンデット・ターン!』の息抜き……のつもりでしたが、けっこう本気になって話を進めてしまったので、さらにあっちが悲しいことになりそうですが……い、いや、書くよ!? うん! もうすぐ学校始まるし、バイトも再開するけど(涙
それでは長くなりましたが、ここまで読んで下さりありがとうございました。
では、また会う日まで!!!