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図書塔の賢者さま  作者: 空色レンズ
第五章『世界の底から覗く者』
71/104

(70) ~ 神々の正体

 誰よりも早く、巫女の言葉のダメージから回復したのはオズだった。


(なにそれ、ばっからしい)


 それが、彼の心からの本音であった。

 だが、完全にしらけている彼の他に、自失状態から回復した面々は互いに顔を見合わせ、困惑していた。国王もまた、戸惑った表情で水晶玉を見つめているが、巫女の方も混乱しているのか返事はない。


「世界を、救う……?」

「彼の者、というのは、彼のことか?」

「救うといっても、何からです。確かに『異形のもの』についての解決はいずれしなければなりませんが……」

「世界の危機というおおげさなものとは思えないが」


 ざわめきが大きくなり、その場はしばらく混乱が続いた。

 結局、巫女の方からの伝達は途切れてしまった。あまりに急な神託に、巫女も驚いていたせいで内容をすぐにオーデント国の者へ伝えてしまったが、本来であれば仲介人を間にして話すべきものであるらしい。よって、非公式な場でもあるので、先の巫女の神託については正式に書状に改めてから話を進めることとなった。

 そして魔術師の遺体だが、そのまま遺族には返さず、一度王宮の魔術師や学者たちが調べてから返すかどうかを決めることになった。そして返す段階でも、炎で清めて灰にしてからという、土葬が一般的なこの世界では異質な葬り方となった。

 あとのことは、また追々連絡すると言うことで、オズは魔法学校への帰還を許可された。指導教官たちはまだ話すことがあるとのことで、オズ一人が王宮の入り口に用意されていた質素な馬車に乗り込む。

 がたり、と馬車が動き始めたのを確認すると、オズは静かに目を閉じて感覚を広げた。細く伸ばした魔力の糸を、するすると伸ばしていく。


(あの水の神とかいうの……確かに力は強そうだけど、あれとすごく似た気配がしたんだよなあ)


 巫女が水の神とやらから神託を受け取ったという瞬間を、オズはこっそり水晶玉を通して確認していた。そして、彼女と神との交感を盗み見て、それがどうにも召喚魔法に似た行為に思えたのだ。

 具体的に何と分かったわけでは無いが、ただ一つ、水の神というキーワードを思い浮かべて糸を伸ばし続ける。

 ……すると、どこからかすさまじい力で糸の先を引っ張られた。


『ああ、やっぱり気付いたね。君が水の神?』

『……貴方のような存在にお目にかかれたこと、心から感謝いたします』


 糸を通して聞こえてきた声は、しゃがれて疲れ切った男性のものに思えた。


『ずいぶんくたびれてるなあ。ご飯ちゃんと食べてるの?』

『こちらの世界へ移されてからというもの、そういった欲求を感じたことはございません。ただ、そちらの世界を見つめ続けるだけです』


 オズのからかい混じりの言葉にも真面目に返してくる水の神に、オズは少しだけばつの悪そうな顔をすると謝った。


『……悪かったよ。けれど、やっぱり召喚体たちと同じような存在なのか。感じる力の形質からして、本来持つべき姿は竜かな』

『さすが、ですね。確かに、私は水を司る竜、かつては精霊大陸と魔の島の間にある大海を縄張りとしておりました』

『海って、オーデントの東の……え、あの向こうに、島なんてあるの?』


 驚くオズに、水の神……水竜は肯定の言葉を返した。


『はい、破壊の化身、世界の滅びを望む種族……魔族が生まれ落ちた場所です』


 ここまで聞いて、オズはなぜ彼が先ほど巫女に、自分が世界の救い手だなどといった神託を下したのかを完全に理解した。

 すう、とまとう空気が冷え込む。


『……それを、俺にどうにかして欲しいって、そういうこと?』

なぜか、きちんと更新したはずの話が消えて、(70)が(71)に差し替えられておりました。なろう上でしか書いてなかった内容なので、(70)の文面は脳内にかすかに残るばかり。おまけに深夜のテンションという天然麻薬分泌中のなか書き上げた話でもあったため、記憶の欠如はさらに激しかった。しかし、すでに(70)以降のストーリーは出来上がっているため、なんとか話の前後のつじつまを合わせるように書き直さねばならない。敵はシステムエラー、入力ミスの激しいキーボード、ポイントがずれるマウス……。


何が言いたいかというと、なろう作家の皆さん直書きマジやめた方がいいッスわ……orz

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