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図書塔の賢者さま  作者: 空色レンズ
第三章『いざ合同演習』
26/104

(25) ~ 組み分け

 翌日、三日ぶりにベッドで横になった魔法学校生たちは、だいぶ落ち着いた様子で訓練場広場に集まっていた。

 広場の中央に設置された壇上にマインダーが立っているのも、昨日と同じ構図だが、今日は彼の後ろに整然と並ぶ訓練兵たちの姿があった。魔法学校生と同じくらいの年齢の者もいれば、明らかに年上とおぼしき者も見える。聞くところによると、基本的に魔法学校では入学時の年齢を定めているのに対し、訓練兵になるのは成人(十八歳)前であれば、体力テストに合格するだけで構わないという少々アバウトなものになっている。


「よーし、全員集まったな? それじゃそろそろ組み分けするぞ」


 マインダーが言うと、緊張した面持ちの幼げな少年兵たちが木箱を持ってぞろぞろとやってきた。彼らは半分に別れると、それぞれ訓練兵、魔法学校生に穴の空いた部分を向けてくる。からん、と音がするので、石か何かが入れられているようだ。

 オズが中から一つ、石をつまみ出すと、赤く塗られた石に、銀色の鎖が巻かれていた。


「銀鎖の赤、かあ」

「おっ、俺金鎖の緑だ! オズと別グループだな」


 すぐ隣で箱から石を引いたバルドが、にやりと楽しげな笑みを浮かべる。

 オズのクラスの面々は、順繰りに箱の中から石を引いていったが、オズたち四人は見事にバラバラのグループになった。だが、レイルは銅鎖の白の石を握りながら、乾いた笑みを浮かべている。……よりによって、ゼルティアと同じグループになったからだ。


「ふん、せいぜい足を引っ張るなよ平民」

「な、なんで僕ばっかり……」


 取り巻きを一人も連れていない状態にもかかわらず、偉そうな態度を崩さないゼルティアに、レイルはさらに落ち込む。だが、そんな彼の肩に二つの手が置かれた。


「あーあ、レイルこいつと一緒かよ、なんかあったらすぐ俺たち呼べよな」

「そうそう、俺とバルドがいれば万事何とかなるし?」


 レイルの背後に現れたオズとバルドに、さしものゼルティアも顔色を悪くする。そんな最悪の空気の中やってきた、彼らの他のグループメンバーは、あんまりな組み合わせに泣き出しそうな顔をしていた。

 それから、同じ色の石を持った者同士で集まったところで、今度は訓練兵側と同じ石を持つメンバーを探し始める。教官たちの指示の元、訓練兵も魔法学校生もそれぞれ五人ずつのグループができあがったところで、マインダーが今日も持っていた槍の石突きで壇を叩いた。

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