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With You.  作者: 聖涙
閑話〜1年前〜
8/50

始まりの刻は〜1年前〜

これは1年前、まだ悠や憬都が入学したばかりのころー




「1年D組…か。」

クラス発表の前で期待も不安もなさそうな少年、悠がつぶやいた。


今日は陽明中等学校の入学式。もともとの募集人数も少なく倍率も高いためか小学校からの仲の良い友達同士でいる姿はほとんど見られなかった。かくいう悠も同じ小学校出身者は自分をいれて3人。これでも多いほうだろう。のこりの2人とも特別に仲が良いわけでもなく、かといって無理にまわりに話しかけようともしない悠は正直、とても目立っていた。その容姿のせいで。



同じくその容姿から目立っている人物が2人。

「憬都ー!何組だった?」

「A。」

憬都と澪だった。こちらは同じ小学校出身は2人だけだがなんといっても幼なじみ。

「嘘っ!私Dなんだけど…」




1度教室に集まり出席順に並び直しそのまま入学式。広い講堂は吹き抜けで光がとても綺麗だった。

「新入生代表、茅ヶ崎悠。」

式は滞りなく進み悠の挨拶も好評。ここで顔を覚えてもらうのは悠の策だったと誰が気付いていたのだろうか。



自己紹介は

「茅ヶ崎悠。サッカー部創る予定なんでよろしく。」

その噂は瞬く間に学年に広がった。




「ふーん、意外といるもんだな…」

入学式から1週間で悠のもとにはサッカー部に入りたいという申し出が9人ほどきていた。それもみんな小学校での経験者でなかにはこのあたりでは有名な少年団やクラブチーム出身者もいた。そういう悠こそ県大会代表になったクラブチームの出身者だが…。

「けど、あと1人。それもDFでうまいやつ。」

いまのところFWが1人、MFが5人、DFが悠を含めて3人。

「誰がいないかなぁ…」

「いるよ!」

自分の席に座っていた悠に後ろから声を掛けたのは澪だった。


「で、誰だよそれ。」

あまりにも驚きすぎて珍しく表情を崩した悠だったが咳払いをすると澪に向きなおった。

「私の幼なじみくんだよ。」

そういった澪は嬉しそうに笑った。




放課後。

「悠、こっちこっち!」

なぜか、悠のことを名前で呼ぶ澪に連れられてきたのは学校と悠の家の道を途中で曲がったところで1つとなりの小学校の学区だった。そこにあったのは少し大きめな公園で遊具などのあるところのほかに一面に芝生の広がる空間があった。そこには1人、サッカーボールを蹴る人影があった。やっていたのはただのリフティング、されどリフティング。悠にはひと目でそのボールタッチの柔らかさに気づいた。


「ねぇ、サッカーやろうよ。」

そこから、サッカー部は始動したのだった。

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