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With You.  作者: 聖涙
第六章 水仙の花咲く季節
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訪れる

今日から2泊3日の京都旅行ー。



「じゃあ、出発しましょー!!!」

京都の旅館につきそれぞれ2人1部屋に割り振られている部屋に荷物を置くと遊と澪は1日目に一緒に行動する2人のクラスメイトの璃茶(りさ)愛美(まなみ)と共に旅館を出た。



京都旅行の日程は1日目が男女別の班での体験学習と日舞の鑑賞。2日目が自由行動。3日目がクラスごとに見学して帰るというものだった。


午前は京都に来ることに使ってしまったため現在1時。日舞の鑑賞は6時からなのでそれまでにそれぞれが予約した体験学習をして日舞の会場まで各自で行かなくてはいけない。



「よろしくお願いします。」

事前に調べておいてくれた璃茶と方向感覚の良い愛美のおかげで迷うことなく予約した体験の場所にたどり着いた。

「こちらこそ。京の組紐体験に来て

くれてありがとうございます。」

イントネーションに京都の訛りのはいったその話し方は新鮮で心地よかった。


「今日はブレスレットとキーホルダーってことで大丈夫ですか?」

「はい!」

澪がそう返事すると指導員の女の人が少し待っててくださいね、と奥に消えていった。


「このなかからブレスレットにしたい色の組み合わせを1つ選んでください。」

そう言って30ほどの色のパターンを差し出した。それはどれも綺麗で思わず感嘆の声が漏れた。


「うちはこれっ!」

早速選んだのは愛美で赤やピンクを基調とした組み合わせ。

「なら私はこれにしよー」

次に決めたのは澪でそれは青や水色や白のものだった。

「璃茶ちゃんはどうするの?」

澪が尋ねると少し迷ったが銀と藍がアクセントの淡い色の組み合わせを手にとった。

「これにしよう。遊ちゃんは?」

まだ悩んでいる遊のほうへみんなの視線が集まった。

「これ、かな。」

選んだのは黄色や黄緑の明るい組み合わせだった。

「ほな、始めましょうか。」



「えっと...」

説明の通りにやっていくものの糸の数が多くだんだんとわからなくなってくる澪に途中で飽きてきてしまう愛美。そしててきぱきと進める璃茶に丁寧に間違えのない遊。作り方に性格があらわれていた。

「できました!」

最初に言ったのはもちろん璃茶でその出来栄えも飾ってある作品のように綺麗だった。

「璃茶ー!うちの手伝ってー」

愛美に呼ばれた璃茶ははいはい、と慣れたように呼ばれるままに向かった。


「璃茶ちゃん、さすがだねー。」

「本当に。お菓子も美味しいし裁縫も上手だし手先器用だよね...」

遊と澪もそんな話をしつつもなんとか完成させ4人とも手首にそのブレスレットをつけた。


「次はキーホルダーやりましょうか。」

そしてまたブレスレットと同様にキーホルダーを編み出した。



「綺麗にできてよかったね。」

日舞の鑑賞のあと遊は先ほど自分で作った緑とオレンジのキーホルダーでみて言った。

「うん、私もなんとかできてよかったよ...」

そう言って澪も赤と青のキーホルダーを見た。

「遊の緑のキーホルダー、憬都にあげなよ。」

「えっ?」

あわてて落としそうになったキーホルダーを握り締める。

「私、赤いの悠にあげるからさ。憬都、緑好きだし」

至極当然と澪が言った。

「あ、明日...渡すタイミングあったらね...!」

真っ赤な顔で遊が言った。




明日が楽しみ、と澪はベットに入ったのだった。

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