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With You.  作者: 聖涙
第六章 水仙の花咲く季節
46/50

一足先に

滋乃と和解して全てが収束したのが11月。

そして、遊が正式にコーラス部に入り自分の願いを叶えるようになったりサッカー部+遊&澪でクリスマスパーティーをしたのが12月。そして、4人で初詣に行ったのがつい2週間前。



さて、2人...つまり、遊が自分の気持ちに気づいてから何ヶ月たったのだろうか。

にも関わらず、だ。

「なんであの2人には何の進展もないのよー!!!」

土曜日の昼下がりのファストフード店でそう叫ぶ澪に悠が冷たい目をむけた。

「うるさい。まぁ、澪の言うこともわかるけど...」

そう言ってため息をつきながらコーヒーの入ったカップに手を伸ばした。

「ていうか、いいのか?今日は午後から遊と買い物だろ?」

遊が昨日そんなことを言っていたなぁ、と思い出した悠がそう言うとそれなの!と澪は興奮して言った。

「その今日の買い物っていうのがね、2月の京都旅行の買い物なの!」


京都旅行とは陽明中学2年生のメインイベント。

陽明中学では1年生が夏に臨海学校、冬にスキー学習、2年生が夏に林間学校、冬に国内旅行が年間行事に組み込まれている。ちなみに3年生は春に国外での修学旅行となっている。そして、国内旅行と修学旅行の行き先は1年生の終わりにアンケートで決定し今年は京都となったのだった。


「京都旅行、そういえば後少しか...」

そんなのもあったなぁ、というように悠がつぶやいた。

「そうよ、それなのよ!!!それで遊と憬都の仲を進展させるの」

澪が嬉しそうに笑うのと反対に悠はめんどくさそうにため息をついた。

「まぁ、やるのはいいけど遊は手強いからな...」




「あ、澪。」

「ごめん、待った?」

それから1時間後、待ち合わせの時間ぴったりについた澪のことを遊は待っていた。

「行こっ!!!」


場所は変わってこのあたりで1番学生向けの駅ビルで2人は京都に着ていく服を見ていた。

「あ、これ可愛い...」

遊が手にとったのは白のセーター。ところどころの白のリボンやピンクのアクセントが可愛い。

「へー、あ。これ黒もある!」

そう言って澪は黒を手にとった。

「お揃いにしちゃう?」

「うん!」


「そういえばさぁ...」

多方の買い物は終わり休憩と入ったクレープの店で遊はチョコバナナのクレープと紅茶、澪は苺のクレープとオレンジジュースを堪能していた。

「どうかした...?」

「んー、遊は憬都に告白しないのかなぁって。」

へっ、と遊は変な声をあげて目を見開いた。

「へって...だって憬都のこと好きなんでしょ?」

遊はうつむいて小さくうなずいた。そして、ばっと顔をあげる。

「ねぇ!幼なじみの澪からみて憬都はあたしのことどう思ってると思う!?」

あー...。手強いってこういうことか。

「遊って恋愛に鈍感なのね...。」

「え?何か言った?」

遊が真面目に聞き返したのに首を振った。


「憬都は見たまんまだよ。あれですごく分かり易いから。」


澪の言葉に首をかしげる。

これが幼なじみの力(?)なのかもしれない。




ーそんな感じでもうすぐ京都旅行です。

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