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With You.  作者: 聖涙
閑話~文化祭の裏側~
35/50

揺らがない事実〜文化祭の裏側〜

「振られてきたよ。」

後夜祭のダンスパーティの会場とは少し離れた本館にある空き教室。真っ暗の教室の入口で月明かりに照らされた啓良が中にいる2人に声をかけた。


「お疲れ。」

そう言って啓良に手をふって苦笑いしたのは玲。そしてその隣にいた雅幸は静かに啓良を見た。




「さて、約束通り待っててやったぞ?せっかくの文化祭なのに」

ふざけたように玲がいうが目は真剣。なんだかんだで啓良を心配しているのだった。

「けど、わざわざ振られるような告白でよかったのか?」

ここにきて雅幸が初めて口を開いた。

「ん、まぁ。先輩たちがお似合いで入る隙間ないのはわかってたし。それに、すっきりしたから...」


好きになる前からわかってた。遊が憬都を見ていて憬都が遊を見ていること。そしてそれに憧れてた自分に。でも、その憧れに違う感情が混ざってきて自分じゃどうにもできなくて...。


「どっちかっていうと先輩が好きよりは先輩たち(..)に憧れてたのかもしれない。」

啓良はそうして窓の外を見た。

「遊センパイ、早く幸せになってくれるといいな。」

玲がそうつぶやいた。


「そしたら、俺らもいい相手見つけてセンパイたちに紹介して、姉貴よりは先に見つけないとなー」

玲の言葉に啓良からも笑いがこぼれた。


「そうだな。...でも、今日だけは、」

「いいんじゃねーの?泣いても。そのために俺らがいるんだろ?」

啓良がいい終わらないうちに雅幸が重ねた。


「泣かねーよ!!!」

啓良の目には涙が滲み慌てて上を向く。

玲も雅幸も何も言わなかった。


この思いとは今日でさよなら。

次に会うときは笑顔で後輩として。


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