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With You.  作者: 聖涙
閑話~文化祭の裏側~
33/50

語られることのない~文化祭の裏側~

それは文化祭2日目。

陽明中の文化祭の2日目は部活がメイン。そう、サッカー部では以前の話し合いで決まった宝探し。

しかし、話し合いのときから内容は少し改良されていた。


「サッカー部、GoalTreasureにようこそ!!!では、ルールを説明させていただきます。」

サッカー部が受付用にと割り当てられた教室では澪がユニフォームを着てお客さんの小学生くらいの男の子に少し大きめのカードを渡していた。

「このカードにあるようにサッカー部がオレンジ、青、緑のユニフォームを着て校内を歩いているので見つけて声をかけてください。そして、その人から出されたクイズに正解するとスタンプが貰えます。1色1人、計3つのスタンプが集まると外のサッカー部コーナーでゲームに参加でき、商品が貰えます。いろいろ見てまわるついでにぜひやってみてくださいね!!!」


これでカードの1/3ほどはなくなった、と少しほっとして澪が窓の外を見た。2日目は3時まで。まだまだ5時間もある。




「サッカー部の人ですよね!」

確信のこもった声の男の子に話しかけられたのは青いユニフォームを着た玲だった。

「はい、そーっすよ!!では、クイズ!!!」

玲はポケットから携帯を取り出すとそこからクイズのカンペを見る。どの問題がまだあまり出していないか吟味した後、1つの問題を定めた。

「問題!!サッカーでMFは攻めと守りに別れますが守りのセンターにくるポジションの名前は?」

サッカーもやってるようだしこれくらいなら答えられるだろう、という予想通り少年は自信満々に答えた。

「ボランチ!!!」

「正解っ!」

カードにスタンプを押すと少年はありがとう、と言って走り出した。

「おー、気をつけてなー!」



出店で買った唐揚げを食べながら男の子が次に声をかけたのは緑のユニフォームを着た雅幸だった。

「おにーさん!クイズだしてー」

その声に少し下に目を向けるとキラキラした目で男の子が立っていた。

「はいよ。問題、この学校の文化祭は何日間でしょう?」

少々簡単すぎかとも思ったがクリアしてもらうのが目的だ。構わないだろう。

「3日!」

予想通り、嬉しそうに答えた。

「正解。あと1つ、がんばれよ。」

うん、と男の子は笑顔でうなずいた。



「あと1個だ!オレンジの人いないかなー」

まわりを見渡しながら歩いているといつの間にか昇降口まで来ていた。

「あれー、あ!!!」

目線の先にいたのはオレンジのユニフォームの啓良だ。

「クイズの参加者ですか?」

そう声をかけられて男の子は嬉しそうに駆け寄ってきた。

「じゃあ、クイズ出しますね。えーっと...ユニフォームは3色ありますがこのオレンジのユニフォームはホーム、アウェイ、キーパーのどれでしょう?」

「ホーム!!!」

即座にはっきりと答えた。

啓良は少し驚いたようで目を丸くした。

「よく知ってたなー」

といいながらスタンプを押す。

「オレここの中学でサッカーやりたいんだ!」

それを聞いて啓良は口元をほころばせた。

「だから、オレが来るまでサッカー部員として恥ずかしくない先輩でいてくれよな!」

おそらく啓良とかぶることはないだろうがそれでも”恥ずかしくない先輩”というところに思うことがあった。

「おう、じゃあスタンプそろったし校庭にゲームの場所があるから行ってこいよ。先輩はめちゃくちゃつぇーから。」

「上等!!!」

ニヤっと手を挙げて走って行った。

「やっぱり男じゃねぇよな...」

ポツリと呟いた。




「スタンプ集まりました!!!」

外の受付には遊が座っていた。

「お疲れ様でした。では、そちらに。」

遊が示した方にはオレンジのユニフォームの悠と憬都がいた。

「じゃあ、ある程度人数もそろったんで始めます。」


遊がそう言うと悠と憬都がストラックアウトの的を出した。

「ルールは簡単です。サッカー部の2人が5m、皆さんには3m離れたところからストラックアウトをしてもらいます。そして、多くの的に当てた方が勝ちです。相手の部員は指名できます。」




「お疲れ様。」

「サンキュ。」

12人のストラックアウトが終わると丁度、シフトが終わったところだった。

「さすがだね。2人あわせて57人相手して通したの4人だよ。」

これは他のメンバーの結果をみれば明らかに良い成績である。

「まぁね。」

悠は当たり前、と言った表情で遊の渡したスポーツドリンクを飲んでいる。


「あ、じゃああたしコーラスあるから行くね。」

「おう、後で行く。」

部室には悠と憬都だけが残った。


「そういえば...遊ってお化け屋敷ニガテなのか?」

憬都が悠に尋ねた。それに対して悠は首を傾げた。

「遊が?そんなはずないけど...」

「そっか...」

2人、特に憬都には大きな疑問が残った。

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