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With You.  作者: 聖涙
第一章 それは桜の季節
3/50

新しい日常は

チャイムとともに入ってきたのはこのクラスの担任である女教師と話題の転校生の2人だった。



ー近くで見るとますます似てる。

遊と悠の珍しい青みがかった黒の髪と目も整っていて綺麗といわれる容姿も男子にしては小さい155cm、女子にしては小さい145cmという小柄という特徴も、そして何より彼らを包む雰囲気と茅ヶ崎という同じ苗字が…。




「おはよう、2年B組のみなさん。担任になりました、西条(さいじょう)飛鳥(あすか)です。よろしくね。」

担任である西条先生が挨拶すると1度、遊に集中していた視線が西条先生へと向いた。

「そして、転校生の茅ヶ崎さん。彼女もこのクラスなの。自己紹介は今からみんなでやるからいいわ。席は、茅ヶ崎くんのうしろ。」

西条先生の言葉にうなずくとクラスメイトの注目を浴びながら1番うしろの悠のうしろ、憬都の隣の席に座った。

「じゃあ、とりあえず15分間休み時間にするわ。そしたら自己紹介するから、よろしくね。」

よろしくね、のときに西条先生の視線が悠に向いていたのは気のせいだろうか?そのまま、教室かれ出ていってしまった。




「お疲れ、遊。」

うしろを向いた悠はそう話しかけた。するとこわばっていた遊はほっとしたように悠に笑みを浮かべた。

「ありがとう、大丈夫だったかなぁ。」

「大丈夫じゃない?」

ポカンと2人を眺める憬都を無視して悠と遊は話を続けていた。するとふと我に返ったように憬都が口を開いた。

「悠、やっぱり知り合いなのか?」

「もしかして、榛名(はるな)憬都くん?」

そういったのは遊だった。

「正解、さすが遊だね。憬都でいいよ。」

「わかった、憬都ね。あたしのことは遊でいいよ。」

やっぱり憬都をおいて2人は話を続けていた。

ー訳分かんねぇ。

そんな憬都の困惑した顔を嬉しそうに悠は見ていた。そしてそんな光景にクラスメイトたちは気になるながらも近づき難く、遠巻きに見つめていた。



「では、自己紹介をはじめます。」

出席番号順に自己紹介が進んだ。とはいってももともとひと学年4クラスしかない学校のためだいたいは顔を知っている人が多いのだがやはり1年間同じクラスとなると自己紹介は大切なのだろう。名前だけでない、それぞれ個性を反映したものだった。


「茅ヶ崎悠。サッカー部、よろしく。」

悠が有無を言わせない素っ気ない挨拶にクラスの女子たちがすこしざわついたあと遊の番になり席を立つと今まで以上にクラスメイトが興味深そうな顔になった。

「改めまして、茅ヶ崎遊です。趣味は読書と料理です。よろしくお願いします。」

そういって頭をさげたところでクラスのどこかから声が上がった。

「茅ヶ崎くんとどういう関係なんですかー?」

悠との関係…。遊はどうすればいいか迷いあぐねうしろを向いた悠をそっと見た。

「…。遊は双子の妹だよ。」

その一言に一瞬クラスが沈黙にかえったあとえーっ!という驚きの声が響き渡った。




ーそしてもともと3時間しかなかった本日の日程が終わり放課後。

「憬都、遊、行くよ。」

HRのあと帰る用意を済ませていた悠は2人を呼んで歩き始めた。

「行くって、部活にか?」

憬都の質問に当たり前でしょ?というとなんの迷いもなく部室へと向かったのだった。

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