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With You.  作者: 聖涙
第二章 藤の揺れる季節
15/50

偶然でないからこそ

縦割りの競技が終わり1年生の共同競技を横目に2年生は入場門にいた。もちろん4人も例外でなく青団の一番後ろに並んでいた。


「あー、何になるだろうね。」

キラキラとした澪が嬉々とした表情で言う。それに対して悠と憬都の表情はイマイチ暗かった。


「あー、馬鹿だなぁ玲。啓良にやられてるし!」

1年生の競技のあと、澪のテンションは最高潮。そしてそれに反比例して悠と憬都のテンションは下がっていった。

「てかさ、俺が思うにこれは見て楽しむ競技でやって楽しむのじゃないと思うんだよね。」

「まぁまぁ。」

悠はついに暴言まではきはじめてしまったし憬都はだんまり。しかし、時間はそれらに関係無く進みいよいよ入場となった。




「うわ、本当にカオス…」

遊は眼前に広がる光景に思わずつぶやいた。3組目の今はバスケのボールベアリングが出ていて10ゴールするまでゴールしては行けないというもの。ちなみに1組目は風船が置いてあり膨らませてバルールアートを作れ、2組目はジグソーパズルだった。

「あ、うちのクラスの俊足組!」

澪が言うので見てみるといつの間にか6組目になっていてリレー代表メンバーのみで作られたグループがいた。

「お、お題も四人三脚だしいいんじゃね?」

憬都のいうように足の速い4人にはラッキーなお題だ。

「あ…!!!」

しかし、順調だったのは中盤までそこで勢いのつきすぎた4人は大きくバランスを崩した。

結局、ゴールこそしたものの真ん中にいた女子2人の足は血だらけだった。

「大丈夫かな…」

「まぁ、とりあえず俺らも俺らでやるしかないね。」

悠が言った。




そして、最終10組目のお題は…

さいころゲームだった。

用具係りがやったのかグラウンド中央にはます目が書かれておりそこにはグループメンバーの恥ずかしい話や好きな人のタイプなどそれはそれは答えたくないネタがたくさん並んでいた。まぁ、ます目が15しかないのが救いだろうか。

「今年もあると思ったけど、」

「やっぱり最後の組だったか…」

相変わらず澪はたのしそうだが悠と憬都のテンションは最低だった。ちなみに事前にアンケート調査が抜き打ちであったため嘘はつけない。


1人目。

「4!」

澪が振った4のますにあったお題は…

「ます目の指令はこちら!女装が似合う人!」

女装、とうえば…

「悠!」

なぜか嬉しそうに澪は悠の名前を叫んだ。悠は額に青筋をうかべたもののとりあえず勝つためと我慢。しかしあとで怒られたのは言うまでもない。

一巡目は青が4ます、赤が2ます、緑が5ます、黄が答えられずにスタートのまま、となった。


次は悠が振った。

「6!」

さすが悠だった。

「ます目のお題は、自分のコンプレックスを大声で!って、怖いです!睨まないで」

悠はこれでもか、というほどに重い空気で睨んでいた。なぜか2連続で悠ばかり可哀想な目にあっている気がする。

「し、ん、ちょ、う!!!悪い?」

それだけ叫んで無言で戻ってきた。これには澪もなにも言わずしーんとした空気が流れたのだった。

2巡目は青が10ます目、赤が6ます目、緑が5ます目、黄が3ます目となった。


「えーと気を取り直して…」

次に出てきたのは遊。ここで5か6を出せば終わりだ。

「5!」

そして出したのは見事に5。

でもラストのますのお題は…

「1番気を許している異性!」

微妙な答えにくさにまわりは静まる。しかし遊は当たり前のように答えた。

「悠を除いたら憬都でしょ。」

これを聞いて辺りがやっぱり、とヒソヒソ声に溢れ憬都が少しテレ、啓良が顔を歪めたのは遊の知るところではなかった。


結果。

青団、1位。

ということで、4人の活躍により青団は現在2ポイント差で2位。

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