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運命
長編になる予定です。
皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります!!!
運命というものは時に残酷すぎる、そんなことわかってる。
「愛してほしかった…。せめて、1度でいいからあたしを見てほしかった。」
ー少女は泣きながら笑う。
あまりにも重い現実に負けそうになる。それでも人は歩かなくてはいけない。
「俺は何も知らなかった…。いや、知ろうとしなかった。」
ー少年は顔を歪める。
知ろうとしないことは罪、罪には罰がついてまわる。それもまた世の理なのかもしれない。
「大丈夫って言葉に安心してた…。そんなわけ、ないのに。」
ー少年は悔しそうに拳を握る。
あとから気づいたって戻ることはできない。時は前にしか進んでくれないのだから。
「待ってるだけじゃダメ…。そんなことからも目をそらしてた。」
ー少女は前を見据える。
考えれば考えるほど深みにはまっていく。そして、簡単なことに気づけなくなってゆく。
それでも、前に進まなくてはいけないから。運命とはそんなもの。
でもね、必ずしも独りで進まなくてはいけないわけじゃないんだよ?
ー大丈夫、独りじゃない。