prologue
「どうしたの?眠れないの?」
外は、夕方から雨が降り続け、夜になった今は更に激しさを増していた。
「うぅん。今日はとおさまが帰ってくる日でしょ。だから寝ないでまってるの。」
部屋の中には、寝台に腰掛ける母親と思われる女性と、5歳くらいの男の子がいた。
「そうね。でも、この雨では今日は帰ってこれないかもしれないわね。雷も酷いし。だからもう寝ましょ。」
「でもぉ……」
「もしかして、雷がこわいのぉ?」
母親は分かっていつつも、いたずらに笑いながら息子に聞いた。
「そんなことないもん。ボク、男の子だもん。だから、かみなりなんかこわくないもん。かあさまはこわくないの?」
「そうねぇ。昔はこわかったかな。でもね、少しだけ嬉しかった。」
「どうして?」
「だって、雷の鳴る日は、あなたのお父様がずっとそばにいてくれたんだもの。」
「じゃあ、今日はボクがとおさまの代わりでずっと一緒にいてあげるよ。」
「そうね。頼もしいわね。じゃあ2人でお話しながら、お父様を待ちましょうか。」
「うん。ねぇ、かあさま。なんかお話して。」
「そうねぇ。じゃあ、ある王女様のお話をしましょうか。むかーし、むかし、あるところにいた王女様のお話よ。」
はじめまして。
f-clefです。
つたない文章、不定期更新(できるだけ早めの更新を心がけます)、まだこのサイトも使いこなせていないので、御迷惑をおかけするかもしれませんが、頑張ります。
こんな私の小説を読んで頂いてありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。