第76話 「大丈夫だ」 (蓮編)
蓮ルートになります。
単話完結です
小春が、壊れちまった。
⸻
何も話せなくなった。
⸻
理由なんて、
どうでもいい。
⸻
俺がやることは、
ひとつだ。
⸻
小春を、
愛すること。
⸻
⸻
「……こな、いで」
「おう」
「……い、や」
「そうだな」
「……」
「辛いな」
「……う、ん」
「答えてくれてありがとな」
「……うん」
⸻
「側にいていいか?」
⸻
「……」
⸻
こくり。
⸻
「ありがと」
⸻
⸻
何も言わない。
⸻
ただ、
そばにいる。
⸻
でも、
震えは、
なくなっていた。
⸻
怖がっていない。
⸻
⸻
時間がかかってもいい。
⸻
全部、
受け止める。
⸻
支える。
⸻
愛してやる。
⸻
⸻
大丈夫だ。
⸻
怖くない。
⸻
俺がいる。
⸻
⸻
また、
笑ってくれ。
⸻
あの顔、
見せてくれや。
⸻
⸻
何日も、
流れる。
⸻
もう、
数えてない。
⸻
⸻
「……」
「……」
⸻
何も話さない。
⸻
⸻
「……れん、れん」
「ん」
「……ありがと」
「おう」
⸻
「いくらでも待つからよ」
「……」
「話したい時、話してくれ」
⸻
⸻
また、
時間が流れる。
⸻
⸻
「れんれん」
「なんだ?」
「……絵、描きたい」
⸻
「おっ、いいな」
⸻
「ほら」
⸻
スケッチブックを、
差し出す。
⸻
「新品だぜ」
「受け取れ」
⸻
「……うん」
⸻
描き始める。
⸻
⸻
楽しそうだ。
⸻
……そう見える。
⸻
それでいい。
⸻
前を向けるなら、
それでいい。
⸻
⸻
「いい絵描けそうか?」
「うん」
⸻
⸻
「できた」
「おっ、上手いじゃねぇか」
⸻
「撫でてもいいか?」
「うん」
⸻
優しく、
触れる。
⸻
「れんれん」
「ん?」
⸻
「れん、れ、ん」
⸻
ぽつ、
ぽつ。
⸻
泣き出す。
⸻
「辛いな」
⸻
「泣いていいぜ」
⸻
「俺がいる」
⸻
⸻
こくり。
⸻
⸻
そのまま、
泣き続ける。
⸻
⸻
俺は、
何もしない。
⸻
ただ、
そばにいる。
⸻
⸻
また、
時間が流れる。
⸻
⸻
「れんれん」
「なんだ?」
⸻
「ううん、違う」
⸻
すっと、
抱きつく。
⸻
「えへへ」
⸻
「……」
⸻
ああ。
⸻
よかった。
⸻
笑った。
⸻
⸻
頑張ったな。
⸻
小春。
⸻
⸻
「小春」
「なーに?」
⸻
「側にいる」
⸻
「支えてやっから」
⸻
「安心して笑え」
⸻
「……っ」
⸻
「泣けとは言ってないだろ」
⸻
「だ、……って」
⸻
「可愛いな、ほんと」
⸻
抱きしめる。
⸻
やさしく。
⸻
⸻
「どんな小春でも愛してやる」
「戻りたいなら手伝う」
「やりたいこと、やれ」
⸻
「全部まとめて」
⸻
「愛してやる」
⸻
⸻
「うん、れんれん」
⸻
「……ありがとう」
⸻
⸻
俯く。
⸻
少し、
時間が経って。
⸻
顔を上げる。
⸻
⸻
眩しい、
笑顔。
⸻
⸻
「大好き」
⸻
⸻
それで、
いい。
⸻
⸻
俺の、
始まりだ。
⸻
⸻
「……ああ」
⸻
「愛してるぜ」
⸻
⸻
返さなくていい。
⸻
愛してくれなくてもいい。
⸻
⸻
俺が、
愛してやる。
⸻
⸻
永遠に。
⸻
変わらず。
⸻
ずっと。
蓮ルート終了になります
自己犠牲を感じていただけたら幸いです。
これで全てのルートが終了になります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
皆さんの時間潰しに少しでも役立てていたら嬉しいです!




