第74話 「それでいいですよ」 (透編)
「こはたん」
「1人にしないで」
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「……ねぇ」
「1人にしないで」
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陽向さんは壊れました。
呼びかけても、
返事はない。
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でも、
そこにいる。
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それでも、
世界は進む。
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視線も合わない。
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ただ、
音もなく、
存在している。
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榊原さんはいるのにいません。
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落塚さんはどこにもいません。
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何を言っても、
それしか返ってこない。
僕が近づくことは、
もう拒否されません。
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なら。
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次の段階に進みましょう。
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「水瀬さん、聞いてもいいですか?」
「……」
「言いたくないならいいんです」
「そのままでいいですよ」
「……うん」
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「僕がいるの、嫌ですか?」
「……ううん」
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「では、このままいます」
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「透ちゃん」
「はい、なんですか?」
「嫌じゃないの?」
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「はい、嫌じゃないですよ」
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「拒否したのに?」
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「拒否されてないですよ」
「こうして、そばにいさせてくれてますよね?」
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「……うん」
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「間違ってないですよ」
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「……うん」
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「ふふ」
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「ここにいると、楽ですね」
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「……うん」
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「僕といるの、楽ですよね?」
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「……うん」
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「話すの、辛いですよね?」
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「……うん」
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「でも、僕と話すのは辛くないですよね?」
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「……うん」
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「僕がいるだけで、いいですよね?」
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「……うん」
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「ふふ」
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「僕といると、楽ですよね」
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「……うん」
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「他の人は、いらないですよね」
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「……うん」
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顔が、上がる。
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「透ちゃんが、いい」
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「はい」
「僕も、水瀬さんがいいです」
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「水瀬さん、怖いですか?」
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「透ちゃんが、いる」
「……怖くない」
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「そうですか」
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「無理に話さなくていいですよ」
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「……話したい」
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「はい、どうぞ」
「僕は、いつでもそばにいますから」
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「……友達?」
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「はい」
「お友達ですよ」
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「……本当?」
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「はい」
「ずっと、変わりません」
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「……離れない?」
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「はい、もちろんです」
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「離れてほしくなっても、離れません」
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「……うん」
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「……離れないで」
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少しずつ。
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じっくりと。
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あなたを、
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変えていきます。
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ええ。
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あなたが、
選んでいるんです。
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僕は、
何もしていませんよ。
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ただ、
質問しただけです。
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……ほら。
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やっぱり。
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僕を、
選びますよね。
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わかっていました。
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僕は、
あなたのことを、
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愛しています。
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あなたの、
すべてを。
僕が受け止めます。
「……永遠に。」
透ルート終了になります
貴重なお時間ありがとうございました。
支配を感じていただけたら幸いです




