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【IOF_98.log】オウリョ・カネスキー伯爵

 お疲れさまです。

 駐オヤシーマ王国日本国臨時代理大使兼ねて臨時代理領事兼ねて警察庁長官官房付兼ねて警視庁異世界警察署長警視正福原珠梨です。

 勤務中異常なし。


 ところで、会計帳簿の点検はどうしましょう。

「ああ、そうだ。クロダよ、隣で待たせているカネスキーを呼んでくれ。

「御意」

 タイロンさんの側に控えていたクロダさんが隣室から1人の男性を呼び込みます。

 うわー

 思わず声を上げそうになりました。

 口ひげを生やし、でっぷりと太ったお腹をさすりながら入ってきた男の人は、いかにも「お貴族様でございます」といった風情です。額が脂でテラテラ光っています。

「ご紹介いたします。王国の財務責任者、カネスキー伯爵でございます」

「ご紹介にあずかりました、伯爵のオウリョ・カネスキーです。本日は、テンテル様の再臨とされるフクハラ様にお目通りが叶い光栄至極に存じます」

 カネスキーさんは恭しく礼を執りました……が、どちらかというと慇懃無礼な感じです。

「ご挨拶ありがとうございます。わたくしは、異界の国、日本国の代表、臨時代理大使ジュリ・フクハラです。よろしくお願いします」

 ソファから立ち上がって軽く頭を下げます。

「本日は、我が国の財務状況をお調べになりたいとか。まあ、私よりこの国の財務に精通している者などおりませんので、昨日今日いらした方が見たところでどれほどのことが分かるものか。お手並み拝見と参りましょう」

 久しぶりに鑑定を使いました。敵意だらけですね。

「お忙しいところご無理をお願いして申し訳ありません。点検は、こちらの小路が担当いたします。経理の専門家です。では、あとは小路さん、お願いします」

「はい」

 小路さんがカネスキーさんに連れられてタイロンさんの執務室を出ていきました。

「すまない。俺もクロダも財務のこととなると詳しいことが分からんのでな。どうしてもカネスキーに任せてしまうものだから、あいつも尊大な態度を取るようになってしまった。仕事はできるのだがなあ……」

 タイロンさんとクロダさんが2人そろってため息を漏らします。


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