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【IOF_96.log】チートの秘密

 お疲れさまです。

 駐オヤシーマ王国日本国大使館三等書記官兼警視庁異世界警察署会計係主事小路結です。

 勤務中異常なし。


 ダメです。

 興奮して鼻血が出ます。

「これは異世界もののチートスキルを完全に説明しています! すごい発見です!」

 私は、思わず叫んでしまいました。

 あ……意識が……

 しっかりしなきゃ。

 先日、署で保護した異世界から転移してきたという日本人男性のDNA型鑑定結果が文書管理システムで送られてきました。

 結果としては、順当というか当然のように「同一人物」でした。

 問題は、鑑定結果そのものではなく、参考情報です。

 私は行政職員なのでDNA型鑑定のことは詳しくありません。ほぼ知識なしです。

 その背景事情を理解した上で私の話を聞いてください。


 個人の同定に利用するDNA型の領域というのは、すべての領域の一部分だけだそうです。その領域だけの鑑定で個人の同定は可能ということで、普通は他の領域を見ることはありません。

 しかし、今回は「異世界転移」という特殊現象が関与しているので、念のため個人の同定に使われていないところで著名な領域についても鑑定したそうです。

 その結果ですが、「ミトコンドリアDNAに微小な変異が認められる」との鑑定が出ました。これにより、何がどうなるのかも科学捜査研究所の技官が「想像で」提供してくれています。

 ミトコンドリアDNAに変異が起こると、永続スタミナや自己発熱、光を纏うなどの変化が生ずる可能性があるということです。疲れにくくなったり、自分の体を熱くしたり、なんと光を纏うようなことまでできるかもしれないということです。なんか、宗教的な「後光」ってミトコンドリアDNAの異変で起きていたのかもしれません。

 DNAには、他にもたくさんの領域があって、それぞれで変異が発生したらどうなるかも説明がありました。これがすごいんです。


 異世界もののラノベでよく使われる「チートスキル」の多くがDNAの変異で説明できてしまうのです。異世界への転移という現象の影響でDNA情報に傷がつき、その結果、常人では考えられないようなスキルを得ていた可能性があるということです。

 つまり、異世界転移で、本人としての同一性は全く変わっていないにもかかわらず、様々な身体的能力が飛躍的に向上するようなケースが現れるかもしれないということです。「勇者」みたいな人が出現していてもおかしくないのです。もしかしたら、変異が現れる領域によっては、魔法のような能力に目覚める人がいるかもしれません。大発見ですよ、これは!

 私たちが与えられている言語補正も神経伝達関連DNAの変異によってもたらされているかもしれません。そうなるとリリヤさんの説明がちょっと怪しくなってしまいます……ここは触れないが吉なのでしょうか……


「私がフラグを立てたばっかりに……」


 署長が頭を抱えています。


 署長、それはフラグというより予言です。


 そうです、もはや署長は神の領域です。だって、いい匂いがします。

「土田さんが『疲れにくくなった』と言っていたのは、ミトコンドリアDNAの変異が原因だったのかもしれませんね」

 私は、署長のDNA修復酵素も大きく変異していると思います。だって、神だから。

 その結果を受けて、異世界警察署員全員の口腔内粘膜を採取して科学捜査研究所に送ったのは言うまでもありません。

 しばらく後になって送られてきた鑑定結果では、全員、何らかの領域で変異が確認されたそうです。

 特に、署長は、DNA修復酵素と非コードRNAネットワークでの変異が顕著で、可愛さんが神経伝達関連で明らかな変異が認められました。やはり、署長は神に近づいています。可愛さんは、ものすごい知識量を発揮していますから、並列処理コンピューターですね。もしかしたらアカシックレコードにアクセスできているのかもしれません。

 すみません、ファンタジー脳が炸裂してしまいました。


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