表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/40

4. あいたい

 今夜はめずらしく、いつもの時間に美羽(みう)ちゃんからのメッセージが来ない。朝は『おはよう』のやり取りをしたんだけどな。僕から送ってみても返事は帰ってこない。どうしたんだろう?


 仕方なくメタバースにログインして時間をつぶすことにした。ここに来ている様子はないのに、なんとなくウロウロと歩き回ってみる。夢中になってやっていたゲームの部屋も、今日はなんだか楽しくない。


「やめた」

 ヘッドセットを放り投げた。部屋がしんと静まり返った。


ピロロン♪

 静寂を覆すように美羽(みう)ちゃんからのメッセージ音が鳴る。


<ただいま>

<遅くなっちゃった>


 すぐに返信した。


<おかえり>

<めずらしいね なにかあった?>


<彼ぴ♡と会ってた>


 え? 彼ぴ?

 僕は一瞬、息が止まった。

 美羽(みう)ちゃん、彼氏がいたんだ……。


<そうなんだ>

<楽しかった?>


 精いっぱいの強がりだ。

 送ってから少し間が開いて、電話がかかってきた。


「冗談だよ~」


 美羽(みう)ちゃんのおどけた声が聞こえる。


「なんだ冗談か。びっくりした」


「ちょっと色々あってね。拓海(たくみ)くんに連絡するの遅くなっちゃった」


「そうなんだ。よかった」


「安心した?」


「うん」


 うん、と言ってから気付いた。

 美羽(みう)ちゃんに彼氏がいなくてホッとしたと、告白したようなもんだな。

 電話の向こうで、美羽(みう)ちゃんが『ふふっ』と笑うのが聞こえた。


「ねぇ拓海(たくみ)くん……」


「ん、なに?」


「会いたくなっちゃった」




( ⸝⸝⸝•_•⸝⸝⸝ ) つづくって


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
心がキュンキュンしちゃう展開ですね(/// ^///)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ