表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/40

12. 誘惑

 手紙を渡した後、この前の映画デートの続きをしたんだ。前回は愛美(まなみ)の割り込みがあって途中で終わってしまったからね。実は映画ってあまり詳しくない。だから映画館に行ってから、美羽(みう)ちゃんに観たいのを選んでもらったんだ。

 選んだのはアニメ映画だと思って観はじめたら、実写とCGが混ざったようなファンタジーな物語。どこかメタバースに似た不思議な世界観で、すっかり見入ってしまった。美羽(みう)ちゃん、いいセンスしているんだな。



 美羽(みう)ちゃんと付き合うことができたのは愛美(まなみ)のアドバイスのおかげ。だからいちおう、お礼くらいはしておこうと思った。それなのに――


「えっ、本気で付き合うの? いつまでもつかねぇ……」


 なんて言ってニヤニヤ笑う。

 なんだよ、応援してくれていたんじゃないのか? よく分からないやつだなぁ。


「で? なにか進展はあった?」


「進展って?」


「キスしたとか」


美羽(みう)ちゃんと? し、してないよ。そんなこと」


「そんなことって……。恋人なんだから、してもいいじゃない」


「付き合うってそういうことなのか?」


「小学生か! いや、今時の小学生だってキスくらいするんじゃないの?」


「時代は変わった……」


拓海(たくみ)が遅れすぎなんだよ。いつの時代の人間だ?」


 そうかぁ、キスしてもよかったのか。だけどどのタイミングですればよかったんだ? 映画館の暗い中で? 急にそんなことしたら嫌われないか? そもそも美羽(みう)ちゃんはキスしたいと思っていたのかな? 女の子はどういう時にキスしたくなるんだろう?


「どうした拓海(たくみ)。疑問符いっぱい浮かべたような顔して」


愛美(まなみ)はキスしたことある?」


「小さい頃、拓海(たくみ)としたじゃん」


「えっ、嘘だろ? 覚えてないけど……」


「うわ、覚えてないの? サイテー」


 そう言われても……。小さい頃って何歳くらいの話だよ。

 あ、もしかしたらいつもの嘘だな。愛美(まなみ)ならやりかねない。


「その手には引っかからないぞ。どうせ嘘なんだろ」


「嘘? じゃあ、もう一回したら思い出すんじゃない?」


「もう一回って、愛美(まなみ)と? 今?」


美羽(みう)ちゃんとの練習だと思って」


 練習かぁ……。




(๑ᵒ ᗜ ᵒ)و ̑✧ つづくのだ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ