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28.仙台グルメ その1

28.仙台グルメ その1


 函館旅行から帰って来たその週、仙台への出張を言い渡された。週末には帰京することを条件に受け入れた。翌週の火曜日から一か月ほどの出張になる。


 東京駅21番ホーム。11時20分発のはやぶさがホームに入って来た。その車体を見て思う。

「こんなに早くまたこいつに乗るとは思わなかったなあ」

 車内の清掃作業が終わりドアが開く。席に着くなりホームの売店で買った弁当を座席に置く。間もなく発車。大宮を過ぎたあたりで弁当を開く。“深川めし”。函館へ行く車内でも食べた。安定の美味しさ。


 12時51分仙台に到着。およそ1時間半で着く。早い。着いてそのまま現場へ赴く。初日から通常業務をこなす。終業時間となり宿へ。出張の間はホテル暮らしとなる。従って、朝・夕はすべて外食となる。チェックインを済ませると早速、仙台の街へ繰り出す。とは言っても知らない街で店を探すのは容易ではない。そこで、手っ取り早く駅ビルの地下レストラン街に行く。食べるものは既に決めている。仙台と言えば…。

『利久の食事処 松島』。“利久”と言えば牛たんだ。やっぱり仙台に来たら牛たんでしょう! と、いうことで牛たん定食を。辛口の地酒“日高見”とともに。先ずはメインの牛たんを一口。厚切り牛たんの歯ごたえがたまらない。そして、辛口の日本酒、日高見をグイっと。ボク好みの辛口の日本酒がまた美味しい。付け合わせの漬物と辛味噌がメインの牛たんをより一層引き立ててくれる。これがあってこその仙台名たる所以なのだと感じながら仙台出張の初日を終えた。


 二日目も同じ店での夕食。この日は“ちょい飲みセット”を注文して“阿部勘”を。セットには当たり前のように牛たん様が鎮座。そして刺身にカキフライ、茶わん蒸しまで。これで主食のメシは要らないくらいのボリュームがある。〆に利久オリジナルの日本酒、その名もズバリ“利久”を。


 三日目。この日は弁当を買ってホテルで過ごす。買ったのは“宮城御膳”。12に小分けされた弁当には宮城県の食材を使った料理が8種と4種のごはん。ここにもやっぱり牛たんが。当然と言えば当然なのだけれど。そしてふと考える。

「これ、たぶん東京駅でも買えたな…」

 思わず苦笑する。

 週末には一旦、帰京するため、木曜日だったこの日は仙台出張一週目の最後の夜になる。翌日は午前中で仕事を切り上げて帰京の途に就く。




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