27.函館グルメ
27.函館グルメ その1
今年はまだ6月だというのに東京では猛暑日が続いている。そんな東京を離れて函館へ一泊二日の旅行に行ってきた。東京都との気温差は6℃~8℃ある。加えてその時の函館は天気が悪く風も強かった。
行程としては一日目が五稜郭から函館山の夜景。二日目が朝市から赤レンガ倉庫を中心に元町、ベイエリアを周るもの。この旅行で一番の目当てはなんといっても朝市での海鮮丼。
一日目。
五稜郭での昼食は『ラッキーピエロ』さん。まるで五稜郭タワーを思わせるような“フトッチョバーガー”が有名なのだけれど、これは平日限定だということで土曜日のこの日は残念ながら食べることが出来なかった。代わりに一番人気の“チャイニーズチキンバーガー”を頂く。甘辛く味付けされたチキンはとても美味しかったのだけれど、そのたっぷりの具材を挟み込んだバーガーはなんとも食べにくいものだった。飲み物はこれも名物“ガラナ”。まあ、コーラみたいなものなのだけれど、ちょうどいい甘さで飲みやすい。チキンとの相性もバッチリだった。
夜は夜景を見るため函館山へ登る前に市内の居酒屋『いか太郎』さんで海鮮料理をつまみに軽く一杯。そして“岩ノリのおにぎり”で小腹を満たす。日が暮れる前に山頂へ向かい、いざ夜景を…と思いきや山頂は雲に覆われて真っ白。しかし、夕暮れ時には雲も晴れ、かろうじて夜景を見ることが出来た。
夜景を見た後はロープウェイで麓まで降りて、そこから海辺まで歩く。そこで見つけたのが『ハセガワストア』さん。その看板を見た瞬間に腹の虫が鳴く。
「よし! ホテルへ帰ってからの夜食を買っていこう」
もちろん買うのは“焼き鳥弁当”。焼き鳥と言っても豚のブロック肉をカットしたものを焼き鳥風に串に刺したものだ。
「今、大口の注文が入ったので40分待ちになりますけど…」
「40分!」
仕方ない。夜食は諦めよう。
二日目。
函館朝市。ここがこの旅行のメインイベントだ。行く店は既に決まっている。『きくよ食堂』さんだ。函館に来る前から、ここの巴丼を食べようと思っていた。具材はウニ・イクラ・ホタテ。しかし、店に入ってメニューを眺めていたら気が変わった。いくつかの具材の中から好きなものを選べるお好み丼があることに気が付いた。ならば、大好物のウニを単独のウニ丼で注文し、それともう一つ、イクラ・ホタテ・カニの三種お好み丼も注文した。
「ウニは時価ですけど大丈夫ですか?」
「もちろん!」
運ばれてきた丼二つ。思わず表情がほころぶ。
「ホタテにだけ醤油をかけてお食べ下さい」
「はい!」
と、言うことは他の具材には何もつけるなということか。それだけ食材に自信があるということだ。ならば…。
「先ずはウニからだな」
山盛りのウニが乗っかったウニ丼を手に取り、もったいぶらずにガバガバかき込む。
「うひょぉ~!」
感想もクソもない。そんな言葉…いや、言葉にもなっていないか。しかし、それしか出てこない。4分の3ほどを一気に食べたところで三種お好み丼にシフトする。先ずはカニから。
「うん! カニだ」
次にホタテのブロックへ。ホタテには醤油だと言われたけれど、先ずはそのまま。小ぶりだけれどその甘みは濃厚だ。
「あー! 旨い」
これはこのままでも十分だ。そして、残ったイクラのノブロック。
「とろける~」
どこぞの回転すしチェーンのものとは雲泥の差だ。はじけると言うよりとろける。〆は4分の1残しておいたウニ丼を今度はじっくり味わって食べる。
「幸せ! きくよ食堂バンザイ!」




