17.神楽坂で創作割烹のコースを堪能
17.神楽坂で創作割烹のコースを堪能
神楽坂と言えば、政治家が密談したり、大企業の接待などで利用される高級料亭が立ち並ぶというようなイメージがある。しかし、そんな神楽坂にも一万円以内でコース料理を楽しめる店もある。ただ、一人で知らない店に入るのはさすがに勇気がいるのだけれど、たまたま知り合いの友達の身内の方が経営している店へ知り合いと一緒に行く機会があった。店に着くと、知り合いの友達が特別に手伝いに来てくれていてぼくたちを出迎えてくれた。
地下鉄東西線神楽坂、JR総武線・地下鉄南北線・有楽町線・東西線飯田橋、都営大江戸線牛込神楽坂駅から徒歩5分圏内とアクセスも良く、メイン通りの神楽坂通り沿いには毘沙門天善國寺といった歴史の古い寺社などもある。
その毘沙門天善國寺の脇を入った先を更に曲がって行ったところに創作割烹『清水』さんがある。店内は異国情緒あふれる雰囲気があり、よくテレビなどで見る、いわゆる“和”のイメージではない。更に趣が異なる4室の個室を備えている。
ランチからコースメニューを予約して頂くこともできるが、今回は仕事終わりの夕方だったので、ディナーのコースを知り合いが予約してくれていた。コースのランクで言えばいちばんリーズナブルな“神楽コース”7,480円。一番高い“おまかせコース”でも1万6,500円とたまに贅沢すると思えば手が出ない値段ではない。もっとも、飲み物は別料金なので、ここは料理を楽しむことに専念しようと思う。
先ずは先付け。天草と帆立の生雲丹を蛤出汁のジュレで。言うまでもないが敢えて言う。
「美味い!」
さすが創作割烹だと言うだけのことはある。こんなものは初めて食べた。見た目もまた美しい。
続く前菜は八寸盛り合わせ。金時草と木の子浸し 白バイ貝旨煮、揚げ新銀杏 鯣烏賊塩辛 浅利時雨煮、岩水雲酢 生雲丹 だだちゃ豆塩茹で、穴きゅうとべったら太巻 有馬山椒。一つのプレートに盛り付けられた料理の数々は食べるのがもったいないと思えるほどの芸術作品だ。
「もうダメだ」
こんな料理を目の当りにしたら、我慢しろという方が間違っている。堪らず日本酒を注文することにした。その日本酒には普段お目にかからない珍しい銘柄のものが揃っている。その中から“お米と水でつくった超辛+10の純米酒”を。塩辛を摘まんで辛口の純米酒を一口。
「あー…。美味い!」
生きていることは素晴らしい。
続いてお造り二種の盛り合わせに本鮪 雉羽太 本山葵 紫蘇芽 酢橘 花穂。それから蒸し物には生雲丹の玉地蒸し蟹内子餡、焼き物には太刀魚塩焼き鬼卸し酢橘、煮物は石川小芋饅頭あられ揚げと鰆の菊花餡九条葱柚子と程よいタイミングで出てくる。当然、酒も進む。既に腹は満足だと頷いている。
〆には栗と木の子炊き込み飯に赤出汁と香物。口直しのデザートにはシャインマスカットの白ワインゼリ―掛け 無花果 杏仁豆腐 ザクロ ペパ―ミント エディブルフラワ― 。
ボクも知り合いも大満足。ボクは一生分の「美味い!」を言いつくしたかもしれない。




