11.秩父でイチローズモルトを
11.秩父でイチローズモルトを
西武池袋線の特急列車が新型車両を導入した。もう何年か前のことなのだけれど。その名も“ラビュー”。ゆったりとした座席に床から天井までの大きな窓。車椅子で入れるトイレなど車内の設備も充実している。池袋から秩父を結ぶその特急列車に初めて乗ってみた。快適だ。
池袋を発車して1時間17分で西武秩父駅に着いた。今回の目的のひとつには“イチローズモルト”がある。国産のウイスキーだ。都内でも飲める店はあるし、通販でなら購入することも容易なのだけれど、秩父には他にもわらじカツやくるみ蕎麦などの名物も味わってみたい。
西武秩父駅に併設する様に建てられている温泉施設がある。『祭の湯』だ。日帰りであまり時間がない今回はここだけで事足りる。とはいえ、せっかく秩父まで来たのだ。秩父神社くらいはお参りしてこよう。
西武秩父駅から歩いて秩父神社へ向かう。途中の参道に『玉木屋』という店がある。ここの名物はイチローズモルトのウイスキーケーキ。イチローズモルトのラベルにも描かれている葉っぱの絵が刻印されている。迷わず土産に即買い。そして、同じ参道の中にある酒屋の店頭には「本日イチローズモルトの入荷はありません」の掲示が出されていた。まあ、そう簡単の買えるものではないのは知っている。足早に秩父神社での参拝を済ませて『祭の湯』へ戻る。
取り敢えず、館内の温泉施設で旅の疲れを癒す。まあ、大した旅ではないのだけれど、せっかくなので温泉に浸かる。それからフードコートで何を食べようかと見て回る。わらじカツ丼か豚みそ丼で迷ったのだけれど、わらじカツを注文。二枚、三枚、など選べるのだけれど、他にも食べたいものがあるので普通の一枚のものにする。カツ丼といっても、ここのカツ丼は卵とじではなくてソースカツ丼だ。卵が苦手なボクにはもってこいだ。つゆに浸っていないので揚げたて、カリカリなのもいい。ソースの風味もいい塩梅に食欲をそそる。
「美味い!」
あっという間に完食。続いてくるみ蕎麦。名物のくるみダレは酷があって味わい深い。もちろん蕎麦自体も美味い。これまたあっという間に完食。
「さて…」
ほぼ満腹状態のおなかを抱えて、フードコートの隣にある『酒匠屋台』へ。先ずは地元秩父の三蔵日本酒飲み比べセットを試してみる。つまみには“しゃくし菜漬け”を。辛口の酒にこのしゃくし菜漬けは相性抜群だ。これだけで何杯も飲めそうだ。そして、本日のメイン。イチローズモルトをダブルのロックで。
「美味い!」
他に気の利いた言葉を期待していたならごめんなさい。
店員さんに先ほど、神社の参道にある酒屋さんに入荷してないって掲示が出ていたことを話すと「ここで買えますよ」とにっこり笑う。
「えっ! じゃあ、1本下さい」
思わず購入。日本酒の飲み比べセットとイチローズモルトをダブルのロックで二杯飲んだらすっかりいい気分になった。帰りの電車の時間を確認し土産物売り場へ。『玉木屋』で買ったウイスキーケーキがここでも売っていた。でも、まあ、お店で買ったものの方が焼き立てなのに違いない。そう、言い聞かせて駅の改札を抜けホームへ。帰りもラビューで快適な日帰り旅行だった。
現在、緊急事態宣言中につき、営業状況要確認のこと。




