計画
「んーこれね!そうだクラマ!城下に行ったことあるかしら?」
「じゃあこれで!いや、ないけど。って言うか行っちゃダメだってお袋とマリアが言ってたしさ。第一門番が通してくれないって。」
「もーう!クラマ頭良いんだから抜け道とか知ってるんじゃないかと思ったわよ。どうにか良い方法ないかしら、クラマちょっと考えてよ!クラマなに引かせんのよ!」
「じゃあこれ。って力いれないでよ!カード破けんだろ!」
ビリッ!!!
「「あ」」
「なんてことすんのよクラマ!」
「いや、姉ちゃんが離さないからじゃん!」
「だって、それ引いたらクラマの勝ちになっちゃうじゃない!」
「ババ抜きってカードの引っ張り合いするゲームじゃないからね!?」
俺はアリスにババ抜きをさせられていた。
『シロクロ』は飽きたのか新しい遊びはないのかと俺を脅しトランプを作らせた。
アリスは8才になっても相変わらず勝つまでやるアリスイズムは直らなかったが、ババ抜きであれば運要素も絡むのでアリスも勝つ事ができるだろうと思い始めた。
しかし残念・・・
俺、豪運あったわ・・・
アリスの顔色を伺いながらやっても勝ってしまう。
何度も何度もやっても勝ってしまい挙げ句には自分が作った物だからイカサマしてるんでしょって叩かれるし、しまいにはカードが破けた。
こんな些細な事にもチートが適用されるとか運の無駄遣いだ。
「もうババ抜きはいいわ!そんな事よりも抜け道を考えましょう!?」
「えーやだよー外に出たら怒られるしさー」
バコンッ!
「いたっ!」
「殴られたくなかったら考えなさい!」
「それ殴る前に言ってよ!」
「うるさい!早く考えてよ!」
(完全口より先に手が出るタイプだよ・・・なんでこんなのが国民からはおしとやかな姫だと思われてんのかわかんないわ。)
アリスはお袋や親父の前では静かにしている。
まぁ、お袋に怒られるのが怖いのだろうけど、その姿を家臣達は見ているからか国民達伝わってそう思われていてもおかしくはないかもしれない。
一応お袋に似て容姿はいいからな。
ただ、俺やアリスのメイドにはバレているので容赦なく性格をさらけ出しているが、こちらとしてはいい迷惑でしかない!
「何よ!なんか言いたいことでもあんの!?」
「べ、別にないよ!」
「そう?なんか嫌な感じがしたんだけど気のせいかしら?」
(勘がいい所まで似なくていいのにこれで胸まで似たら笑うけどな。)
バコンッ!
「いたっ!」
「やっぱり良くないこと考えてるでしょ!?」
「そんな事ないって!」
「ふーん。そんな事よりもそろそろマナが来るだろうから行くけど城下への行き方考えてよね。」
「一応考えとくよ。」
「頼むわよ!」
アリスはそう言うと部屋を出ていったが入れ違いでマナが入ってきた。
「クラマ様!アリス様がこちらへいらっしゃいませんでしたか!?」
「さっきまで居たけどどっか行っちゃったよ。」
「そうですか・・・まだお勉強の途中でアリス様が少々休憩したいからと私がお茶を入れてる間に抜け出されたようで。」
「ははっ!マナも大変だね!」
「ホントですよー!アリス様が三歳の時からお世話させて頂いてますが、アリス様は天真爛漫がすぎるんです!」
「姉が迷惑かけるね・・・」
「い、いえ!決して嫌な訳ではないないんですよ!お勉強もアリス様はやらないだけで出来るんです。ただもう少しおしとやかになって頂けると嬉しいんですけどね・・・」
「そうだね・・・そんな事よりもそろそろ探さなくていいの?」
「そうでした!クラマ様愚痴みたくなって申し訳ありません。」
「気にしないでよ同志みたいなものだからさ。」
「ふふっ、クラマ様と喋っていると大人相手だと思ってしまいますね。いけない、ホントに行かないと!それではクラマ様失礼致します。」
そう言うとマナは一礼し部屋を出ていった。
夕食の時にアリスの顔を見ると目を真っ赤にしていたがどうせお袋に怒られたんだろ自業自得だ。
お読み頂きありがとうございます!
宜しければブクマなどしていていただけたら嬉しいです!