勉強
説明回になっちゃって申し訳ないです。
俺は三歳になった。
手足もだいぶ伸び、髪は母親似の銀髪、顔は父親似でかなりのイケメンになりつつある。
異世界生活には慣れてきたが、時折城の中で漫画やアニメで出てくるモンスター(魔族)の方々が闊歩するのは今だに慣れない。
生活では、電気が無くて困るんではないかと思ったがそうでもない。
少し暗いが蝋燭が城中にあり部屋には魔石という物がある。
この世界には皆大好きダンジョンがあるらしい!
ダンジョンに魔石があるらしくダンジョンは魔物の棲みかになっており、棲みかには魔素という物が溜まってそこにある石が魔石になる場合。
あとは魔物自身に魔石が入っている場合もあるらしい。
異世界に来たからには、是非ダンジョンの1つでも入ってみたいものだ。
なんと言っても俺にはチートがあるんだしね。
話は逸れたが魔石は色々使い道があり光の魔法を込めるとランプの代わりに。
水の魔法を込めると水が染みだしたりと用途は色々活用できる。
なので生活において不便はしたことはないが、おしめは勿論トイレが紙じゃなく布であったり。
水浴びやシャワーの習慣はあるが、お風呂の習慣が無かったり。
パソコンやテレビ、携帯がないと異世界から来た俺は手持ちぶさだに感じてしまったりというのはまだこの世界に慣れきってはいない証拠なんだろうと思っている。
そして!
今日から遂に魔法の勉強が始まる!
俺にはアイリスから貰った魔法の才はあるが、練習をしなければ凡人レベルで終わってしまう。
だから早くやりたかったのだが普通は6才位から始めるらしい。
しかし、『賢王』と『魔女』の子供と言うのは期待されていて、俺がやりたいと駄々をこねたら少し早いが勉強することが出来ることになった。
しかも、勉強を教えてくれるのは『魔女』であり母であるアルベニア・リリスだ。
リリスは夢魔族の貴族の娘で幼少の時から魔法の才に溢れていた。
アルベニア国内に建つアルベニア王立学院では学校始まって以来の天才と呼ばれていたらしい。
その時にルドルフと知り合い親しくなったらしいが、正直他人ののろけ話、いや他人ではないが人ののろけ話を聞くことほど苦痛は無いのではないだろうか!
だから詳しくは聞いてないが、リリスは魔法に関して天才らしくその事から『魔女』という名前で呼ばれているらしい。
「それじゃあ、始めるわよ?」
「お袋、よろしくお願いします!」
「クラマ?お袋と言うのははしたないから止めなさいと言ったでしょ?」
「ごめんなさい、お母様。」
クラマは慌てて謝るが
「いいのよ家族だけの時ならね?でも国民の前では模範となるようにしなければいけませんからね。」
柔和な笑みでリリスはクラマの頭を撫でた。
「クラマは私とルドルフの子供だから絶対に魔法の才能があると思うわ。ただね魔法は便利なものであり危険なものよ?魔法は我ら魔族が得意としていて戦争でも使われる。私も戦場に行き力を使ったわ。思い出したく無いけどあの時はひどかった・・・でも仲間を一人でも守りたかった。クラマにも国を守れるような人になって欲しいわ。」
リリスは真剣な眼差しでクラマに語りかけた。
「勿論です!俺もお袋や親父のような人になります!」
そう言うとリリスはクラマを抱き締めた。
「ええ、そうね!さすが私達の子供だわ!」
「痛い!痛いよ!」
(胸がないから痛いんだよ!)
「クラマ?変な事思っているんじゃないかしら?」
「そ、そんな事ないよ!ママ!」
「あなたがママっていう時はなんか信じられないのよね・・・」
(うちのママンは勘がいいよ・・・)
「まぁいいわ、勉強を始めましょう。」
リリスは夢魔族だがルドルフはというと吸血族いわゆるドラキュラ、ヴァンパイアと呼ばれるものだ。
だからと言って常に血を吸わなければ生きていけない訳ではない。
他の種族と同じで普通の食事でも満足が出来るが吸血族は血を吸うことによって力を増すことが出来るらしい。
血には魔力が流れていてそれを自分の力に変えることができ、血を吸う対象の魔力が強ければ強いほど効果が出るとルドルフは言っていた。
たいして夢魔族は元々魔力が強い種族ではないがリリスがぶっ飛んで魔力を持つらしい。
夢魔族自体は名前の通り相手の夢に入り込んで悪戯をする種族だ。
決して卑猥な悪戯ではない!と思うが子供だから詳しくは教えてくれ無かっただけかも知れないけど・・・
そんなわけで俺には体も才能もある!これが豪運のおかげかわからないがアイリスには感謝だ。
「なにしてるのクラマ?始めるわよ!」
「ごめんなさい!」
ママンはやっぱりスパルタの教育ママで、アリスの気持ちがわかったような気がした。
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