友達
「「「乾杯!!!」」」
ルドルフが用意させた宴会が始まった。
ダンは最初は恐れ多いと言っていたが何とかなだめると、とても感動して涙ぐんでいた。
「ダン君、クラマと友達になってくれてありがとう!」
ルドルフは頭を下げた。
ルドルフが頭を下げるとダンはギョッとしたような顔になり食べていた物を吹き出しそうなのをこらえて、急いで飲み込んだ。
「ゴホッ、ゴホッ!へ、陛下!頭を上げて下さい!僕が王子に友達になって欲しいと言ったのです!」
「それでも、クラマは王子とは言わずとも友達になってのであろう?」
「それはそうですが・・・」
「君は王子ではなくクラマという人物と友達になったんだ。私は王ではあるがそれと同時に父親だ。息子の初めての友達にはそれなりの事をしたいんだ。そうであろう、リリス?」
リリスは「もちろんよ。」と笑顔で微笑んだ。
「ダン君、もし君の家にクラマが行ったらきっとおもてなしをするんじゃないか?」
「ええ、それは・・・」
「それと同じだ。学校が始まるまでだが我が家だと思いゆっくりするが良いぞ。」
「ありがとうございます!」
「クラマが友達を連れてきたって言うからどんなやつかと思ったら随分普通そうな子ね。」
アリスはつまらなそうにクラマに話しかけた。
「姉ちゃんさらっと酷いこと言うよね・・・」
「そうかしら?まぁ、いいわ。そんなことよりクラマ!試験はどうだったのよ?」
「まぁ、色々あったよ・・・」
「どうしたのよ?」
開場までの事や試験の機材故障やカレンの暴走などを言うとアリスは大笑いしていた。
「アハハハハ!あんた、ホントに面白いことばっか起こるわねー。」
「俺はたまったもんじゃないけどね。それより試験が心配だよ。」
「大丈夫よ。安心して良いわ。見る人が見れば直ぐに分かるから。」
「そうなの?」
「ええ。」
アリスはニヤニヤしながら答えた。
「私も鼻が高いわー」とか聞こえてきたがクラマには良く聞こえなかったみたいだった。
笑い声がたえない城内をよそに夜は更けていった。
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