試験3
「試験終了だ!筆を置き待っていなさい。」
国語の試験は算数よりも簡単ですぐに終わってしまった。
試験が始まってまず最初に問題の絵を言葉にしなさいと試験官言われ、問題を見てみるとに20問程の絵が書いてあった。
試験の内容は書きの問題のみでリンゴの絵を見てリンゴと書けるかというような問題だった。
最初に試験官が言ったのは字が読めない人がいてその為に一応言ったのだろう。
識字率が低い世界だからこの試験は文字を書けるか書けないかを判別してクラス分けに使うのだろう。
「それでは、昼の鐘がなったら先程の札を受け取った場所に移動するように。それまでは学院内を自由に見学をするなり、昼食をとるなり自由時間だ。それでは解散とする。」
試験官が出ていくと算数の試験が終わった時のように所々からため息などが聞こえてきた。
しかし、一際大きいため息が聞こえてきたのは隣の席からだった。
「ふぃぃぃぃぃぃぃ!つっかれたぜ!!!クラマはどうだった?」
「まぁまぁかな。」
「そうだよな!俺も村で文字を一応教わってたんだけど合っているか不安だよ・・・」
「まぁ、入学は出来るんだから気にせず行こうよ。」
「そうだな・・・・・そうだよな!悩んでたって終わったもんは終わっちまったんだ!クラマ一緒に学院見て回ろうぜ!」
「あぁ、そうだな!」
先程まではダンは不安気な顔をしていたが今は先程の試験の事を忘れたのか元気一杯になっていた。
「クラマ!見学するって言っても何処に行くんだ?」
「いや、特には決まって無いんだけど俺の友達が一人で寂しがっているんじゃないかなって・・・・・っと!いたいた!おーい、フレデリカ!!!」
「クーくん!?クーくーん!!!」
フレデリカは呼ばれて周りを見てクラマを見つけるとご主人様を見つけた仔犬のように突っ込み抱き付いてきた。
「えへへー、クーくん!リカ頑張ったよ!偉い?ねぇ、偉い!?」
「あぁ、偉い、偉い。」
クラマが突っ込んできたフレデリカの頭を撫でていたのだが、ダンの存在を忘れていてダンの方を向くとニヤニヤしていた。
「クラマー、お前も中々やるなー!同じ年で女の子二人も落としてるなんてなー?」
「ば、ばかっ、違うって!」
「じゃあ、それなんだよ?」
「うちのペット?」
「酷いなクラマ!?」
とりあえずフレデリカを引き離しフレデリカをダンに紹介した。
「初めましてリカ・・・フレデリカです。よろしくね・・・」
「俺はダンだ!よろしくな!」
フレデリカは俺の後ろに隠れて自己紹介していたが、フレデリカが人見知りなんて初めて知った。
ダンが「俺なんかやったっけ?」と聞いてきたがこういう子なんだって当たり障りなく説明したら気長に仲良くなるよって笑っていた。
適当に学院内を三人でうろうろしていたがダンとフレデリカは目を輝かして見ていたが、俺にとっては前世の学校と似ていて珍しいと言うよりも懐かしいという感じだった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン
「そろそろ、行こうぜ!」
クラマが戻ろうと促すがフレデリカが中々戻ろうしなかったが、どうせ入学したらいくらでも見れると言ったら渋々集合場所へ向かった。
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