試験2
「試験開始!」
一斉に紙を捲る音が聞こえ、クラマも捲った。
捲るとそこにはクラマの予想通りの問題が続いていた。
1+1=
2+1=
・・・
・・・
(思った通りだなぁ・・・)
クラマは王子という身分からか幼い時から勉強をしていた。
勉強は最初はマリアが見ていてくれていたのだが今回のテストのような問題を解かされて余りにも簡単すぎてもっと難しい問題はないのかと聞いたらマリアは驚きリリスを呼びにいった。
戻ってきたリリスを前に同じような問題を解くと半端じゃないほど誉められた。
後から聞いた話なのだがこの世界は数学などは発展しておらず一部の研究者や頭のいい商人があつかっているらしく、四則演算というかかけ算、割り算を使える者は殆んど居ないと言っていた。
普通の商人などが金貨などを一枚づつ数えるなんて流石に効率悪すぎて残念だと思うが教育が発展していない世界ではしょうがないことだ。
そんなこんなで三流大学をなんとか入ってなんとか卒業した俺なのに、この世界では天才扱いだ。
(やべっ、ちゃっちゃとやらないとボーッとしてたな・・・)
30問ほどの問題だったが、一桁の足し算、引き算と最後に二桁の足し算があっただけで暗算で簡単に終わった。
やりはじめてから10分程で終わり一応三回ほど見直したが特に問題などなく、暇だったので机に突っ伏して終わるまで眠りにつくことにした。
「試験終了だ!筆を置き、答案用紙を前に待っていなさい。」
そう言うとカレンを含めた三人の生徒が答案用紙を回収していった。
「それでは、次の試験まで休憩にするので楽にしているように。」
先生はそう言うと三人の生徒と共に教室を出ていった。
出ていくと受験生達は一様に溜め息や伸びをするものが多かった。
休憩中は知り合いが居るものは知り合い同士でしゃべり、試験難しかったよねとか聞こえてくる。
知り合いなど居ない俺は寝て待とうかなと思って、また机に突っ伏そうとしたとき隣の人にしゃべりかけられた。
「なぁ、試験難しかったよな?」
「あ、あぁそうだな。」
「あぁ、急に悪かったな。俺は悪魔族のダンって言うんだ宜しくな。」
「あぁ、宜しくな。俺は吸血族のクラマだ。」
「クラマは試験始まってすぐに机で寝てたもんな、俺も全然分かんなくてずっと悩んでたよ。」
「そ、そうだな・・・」
(そういうわけじゃないんだけどな・・・)
「あ、そうだ!折角だから、お隣になった記念で友達になってくれよ!俺は山奥から来ているから友達居ないんだ・・・」
「俺でよければこちらからも頼むよダン!」
「あぁ!宜しくなクラマ!」
友達になった証に握手をしていたら先生が入ってきて俺はダンと頑張ろうぜと言っていると用紙が配られた。
「それでは、国語の試験を始める。注意事項は先程いった通りだ。それでは試験開始!」
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