試験
「941番から980番の方こちらへお願いします。」
(呼ばれたな俺も行こう・・・)
番号を再び確認し集まっている所へ向かったが、そこは少し騒ぎになっているようだった。
「あの人可愛いな・・・」
「綺麗な人・・・」
呼ばれた所には呼ばれた人達が先に集まっていた。
先に集まった人達は口々に可愛いや綺麗など言っていて見てみるとよく見知った人がそこに立っていた。
「く、クラマ様・・・っ!!!」
「あれ、カレン久しぶりだね。」
「クラマさまああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
カレンはクラマを確認すると飛び付いて来るがクラマはさらっとかわす。
かわすとカレンはそのまま床に顔から叩きつけ凄い音が鳴った。
ビターン!!!
「な、何故避けるのですか!?」
「怖いからだよ!!!」
「怖くなどありません!愛です!愛!!!」
カレンは鬼気迫るように熱弁しているが先程の顔から叩きつけたせいか、鼻血を少し垂らしながら言っているので説得力の欠片もない。
しかも、先程まで憧れの目線を送っていた受験生達は憐れみからなのかドン引きの目で見ている。
「カ、カレンそんなことよりも案内、案内!!!」
「そんなこと!?私のことはそんなことなんですか!?」
「いいから早く案内してって!周りを見ろって!」
「周り・・・?はっ・・・ゴホン、案内しますのでこちらへお願いします。くれぐれも離れないようにお願いしますね。」
何事もなかったかのようにカレンは取り造ろうとするが、先程の様子を見ている受験生達は騙されることなくジトッとした目で見ており、心なしかクラマへの視線も痛かった。
「それでは最初の試験を説明しますのでよくお聞きください。」
カレンによって案内されたのは二階の教室だった。
教室は大学の講堂のような広々とした作りだった。
「一番最初の試験は筆記試験です。算数、国語の二科目になっていますが、今日の試験成績によって入学ができないということはないので緊張せずに頑張ってください。皆さんと在学する日々を楽しみにしております。」
カレンは最後の一言を言うとクラマに向けてウィンクをしたが、クラマはため息を吐きつつカレンが教室を出ていくのを見送った。
それと同時に先生らしき人が入ってきてテスト用紙を配っていった。
「最後に他人の解答などは盗み見などしないようにしないでください。それでは、算数の試験を始めます。」
ペラッペラッペラッ
一斉に紙を捲る音が聞こえる。
(よしっ!やるぞっ!)
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