獣人
「こちらで受験番号の札を貰ってくださーい!!!」
案内されたのは体育館のような場所で先程のボードを掲げていた人が叫びながら案内をしていた。
「クーくん!なんだかドキドキしてきたね!」
「俺はそんなにかな。」
「ほんとー?リカはドッキドッキで大変だよー!」
フレデリカは落ち着きがなくウズウズしていた。
前の世界の公立の中学校の入学試験のようなものだと思っているクラマは特に緊張などなく平然としていた。
それよりも試験を受けに来ている人の数に驚いていた。
大体千人ほどがいるように見え、多種多様の種族の人が受けに来ているようだ。
(うわぁ、あの子ネコミミ!?触ってみたいな・・・)
獣人族の子を見ていたら不意に痛みが襲ってきた。
「いってぇ!!!」
「むぅー!クーくん!リカね、クーくんにあんまり他の女の子見てほしくないんだからね!」
不意の痛みはフレデリカかが手の甲をつねってきた痛みだった。
フレデリカは口をプクッと膨らませて怒ってるアピールをしていた。
「ごめん、ごめん。女の子見ていたわけじゃなくて獣人族を見るのが初めてでさ。」
「ほんとに?」
「ほんとだって。」
「じゃあ、許してあげる!」
ニヘラとフレデリカは笑った。
(守りたい、金髪ロリ巨乳の笑顔。嫌!違うぞ!ロリコンではないからな!確かにさっき背負った時二つの梨ぐらいのものが背中に・・・)
「あのー?」
(順調に育ってるようで何よりだ。)
「あ・の・う!?」
「うわぁ!な、なんですか!?」
妄想を勤しんでいたクラマは急に声を掛けられ驚いた。
呼んでいたのは受験の番号札を配っている制服を着たウサミミの女の子だった。
学院の制服はブレザーのような感じでアリスやカレンので見てはいたがウサミミとブレザーなかなかにマッチしている。
「さっきから呼んでるのになかなか反応てくれないから。これ、番号札よ。入学式の日にも必要になるからそれまで無くさないように気を付けて頂戴ね。」
「ごめんなさい。ありがとうございます。」
「懐かしいわー、私もそうだったし緊張しちゃうものね。」
「そ、そうですね。」
(全く違う事を考えていたんだけど・・・)
「先輩、札ありがとうございます。」
「いいえ、試験頑張ってね。」
ウサミミ先輩は手を振って送ってくれた。
「クーくん、おそーい!なにやってたの?」
「いや、ちょっとね。」
「むぅー、隠し事よくないんだよ!ママが言ってたんだもん!」
「いや、ほんとに何でもないって!」
「そう言うことにしてあげるんだから!それよりも!今試験会場に移動するから番号が呼ばれた人は来てください。って言ってたよ。」
「そっか、フレデリカはちゃんと話聞いてたのか偉いな。」
「えへへー、クーくんに誉められたー!」
フレデリカはさっきまで怒っていたのに誉められるとよろこび照れていた。
「900から940番の人!こちらに着いてきてくださーい!」
係員が読んでいるのを聞き、クラマは番号札を確認すると941番だった。
「リカ呼ばれたから行ってくるね!クーくん頑張ろうね!」
「あぁ、フレデリカ頑張れよ!」
フレデリカは手を振りながら歩いていたが前見ないと危ないぞと言おうとしたら転けそうになり間一髪で踏みとどまり顔を真っ赤にして試験会場へ向かって行った。
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