出発の朝
「・・・・・・くん」
何か呼ばれてる・・・
もうちょっと寝かしてほしい・・・
「くー・・・・くん・・・・・」
ゆさゆさと揺らされるがそれがゆりかごのように更に眠気を誘う。
「フレデリカ、そんなんじゃクラマは起きないわよ。」
「アーちゃん!どうすればクーくん起きてくれるの?」
「それはね・・・こうするのよ!!!」
「はっ!?」
ドンッ!!!!!
アリスが降り下ろした拳はクラマに当たる事はなくベットにおもいきり突き刺さった。
「あ、あぶねぇ・・・姉ちゃん!朝から何すんだよ!」
「アハハ、ちょっとクラマを起こしてあげようかなーって思ってさ。フレデリカ、これぐらいしないとクラマは起きないんだからね!」
「わかったよ、アーちゃん!」
「おい、姉ちゃんフレデリカに余計な事教えないでくれよ。大体さ、起こす為に殺気を放つ必用あるか!?ていうか、今の当たってたら起きるんじゃなくて深い眠りにつくってば!」
「それは・・・クラマの鍛練が足りなかったって事でさ。ね?」
アリスは可愛く舌を出しているがクラマにとっては全く可愛くない。
「ね?じゃないよ!そんな事で生死さまよいたくないから!はぁ・・・朝から疲れたよ・・・」
「ク、クーくん!おはよう!」
「フレデリカおはよう。あー、マリアが昨日迎えに来るって言ってたっけな忘れてたよ。」
「クーくんが学院までどうやって行くか分からないかも知れないから迎えに来たんだよ!」
「そうか、フレデリカありがとうな。今、準備するから待っててな。」
「うん!」
クラマはそう言って寝間着を脱ぎ始めようとすると。
「キャッ!」
見ないようにとフレデリカは目を覆っていた。
「クラマ!女の子がいるんだから、出て行ってから着替えなさい!!!」
ドンッ!!!
「ぐえぇ!ご、ごめん、ちょっと待っててくれ・・・」
アリスの拳はクラマの腹を今度は完全に捉え、ひねりまで加えてきた。
お陰で完全に目が覚めた、これで爽やかに行けるよ。
つ、強がりじゃないんだからな!
「さ、フレデリカ行こうか。」
「クーくん、大丈夫?」
「な、なんともないさ!」
「そうなの?ならよかったよー!」
腹を擦っていた俺を心配していたのかフレデリカは不安気な顔で俺の顔を覗き込んできた。
しかし、なんともないと言うと安心し花のようにパァっと笑顔を見せてくれた。
「クラマ様行ってらっしゃいませ!!!」
「クラマ様御武運を!!!」
「ありがとうございます!頑張ってきます!」
城を出ようとすると警備の兵士達に応援の言葉を貰っていく。
城門まで行くとルドルフやリリス、姉妹達、そしてガイル、マリアがいた。
「クラマ、フレデリカ行ってきなさい!!!」
ルドルフが代表するように送り出してくれた。
「「行ってきます!!!」」
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