出迎え
「兄さまあぁああああああああああああああああああああ!!!」
城へ着くと同時にムルアとレムアが飛び付いてきた。
「兄様!お帰りなさいませ!」
「にいさま・・・お帰りなさい・・・・・」
「あぁ、ただいま!ムルア!レムア!良い子にしてたかい?」
ムルアは元気よく、レムアは恥ずかしそうに抱き付き、クラマは抱き締めた。
三ヶ月しか離れてないのにまた少し大きくなったのかと感じほっこりしていると。
「兄様何も言わずに行ってしまったからとっても寂しかったんです!」
「・・・・・コクコク」
「ハハハ、急な話だったからね。二人には悪かったね。」
「でも!兄様が帰ってきてくれてとっても嬉しいです!」
「・・・・・コクコク」
「二人ともありがとうな。」
「ムルアとレムアは良いんですけど・・・・・」
ムルアは先程まで元気一杯に喋っていたのに何か言いづらそうにしてモゴモゴしているとコクコク頷いていたレムアが代わりに喋りだした。
「にいさまが修行に行っちゃったあの日からカレンがとっても泣いて、とっても怒ってたの・・・とっても怖かった・・・」
「そ、そうか・・・」
ムルアも気まずそうに喋りだした。
「カレンが「クラマさまあああああああ!クラマ様はどこおおおおおおおおおおおお」ってずっと叫んでて、ママにうるさいって怒られてた。しかも一昨日学院が始まるからって言ってるのに兄様に会わないと戻らないってワガママ言ってたらママに城から追い出されてたよ。」
後ろにいるリリスを見ると微笑んでいたが目は笑っていなくとっても怖い。
「そ、それは悪いことしたかな・・・・・?」
「良いんじゃないの?どうせカレンはクラマにいつもベッタリなんだから。たまには離れたほうが良いんじゃないの?」
「姉ちゃん!?ただいま!」
双子から遅れてきたのはアリスだった。
「カレンったら、学院でもいつもクラマに会いたい、クラマは大丈夫かってずっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっと!!!うるさかったんだから!良い薬になると良いんだけど・・・・それよりも!クラマだいぶ強くなったんじゃないの?なんか雰囲気があるわ・・・」
「そ、そうかな?強くなったって自信はあるけど、改めて言われるとそうかな?って思っちゃうけど。」
「大丈夫よ!充分に強くなってそうね!よっぽど厳しい修行してきたのね。そうだ、クラマ!久しぶりに手合わせしましょう!?」
「ダメよ?クラマは明日学院で試験があるんですから今日は修行の疲れを取らないと行けないんですから。」
「むー!ママがそう言うならしょうがないけど試験から帰ってきたら手合わせしなさいよねクラマ!」
「わかったよ。」
「ムルアとレムアも御兄ちゃんは疲れているから今日は休ませてあげてちょうだいね。」
「はーい!」
「はい・・・」
双子は遊びたさげ、アリスは試合したげで渋々といった返事をするがお袋の言うことだから守るだろう。
夕食ではささやかなパーティをルドルフが開いてくれた。
「入学の時には盛大に行うが今日は軽めに行うぞ!」
そんなこといいながらも俺の好きな料理を出してくれて舌鼓を打った。
眠る前にマリアから話があり「明日娘が迎いに来るそうなので一緒に行って頂けますか?」と言われたので快く承諾した。
ここ最近、フレデリカが顔を見せなくなっていて心配していたが「最近恥ずかしがってるんです。」とマリアから聞き安心した。
(何を恥ずかしがっているんだ?俺か?俺なのか?)
そんな馬鹿な事を考えつつ明日の試験を楽しみに自室に入ると安心したのかぐっすりと眠りについた。
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