修行1ヶ月経過
今日からWBC準決勝ですね!
仕事で見れないのが残念です・・・
バサバサッ!
「くっ・・・ただの鳥か・・・」
クラマは急な音に驚き身を固め、周りを見渡すと一帯は森で音の主は飛び立った鳥だと気づき安堵し、緊張を解した。
「ここは、一体どこなんだよぉおおおおおおおおお!!!」
見知らぬ森をさまよいながらクラマは昨日の事を思い出していた。
「坊や、あなたがここに来て1ヶ月くらい経つけど随分強くなったわね。」
「あ、ありがとうございます!」
ネリベルは食事以外ではクラマを殆んど誉める事がないので急な誉めにクラマは面を食らったように驚き、照れてしまった。
確かに自分でも強くなってきている自信があった。
毎日魔力維持の特訓をすることによって魔力量が増えたのか半日は保てるようになり、更には師匠との魔法実技の修行を行い実践での魔法使用がだいぶ上達した。
「ほんとはこの修行の最後にやる予定のやつを前倒しすることにするわ。坊やの成長を見ていると大丈夫だと思うから明日やるわよ。」
「な、何をやるんですか?」
ネリベルとの実践で何度も死にかけているクラマは大抵は死なないだろうと思っていても、ネリベルが新しいことをやると言うとちょっと怖い。
「まぁ、明日になれば分かると思うわよ。そうね、しいて言うなら死ぬ気で帰ってきなさいってくらいよ。」
「何ですかそれ、凄い嫌な予感がするんですが・・・」
「大丈夫よ。多分死なないと思うわよ。」
「何ですか多分って!」
「うるさいわねぇ、ほらたまには一杯ぐらい付き合いなさいよ。」
「一杯だけですよ?ゴクッ・・・か、辛っ!し、ししょう!何てもの飲ませるんですかっ!?」
「あら、美味しいでしょこのお酒。ドワーフのお酒で火酒って言うのよすぐに酔えるし味も最高よね。」
「よく、こんなお酒飲み続けられますね!師匠一杯付き合うと言いましたけどちょっときついんで僕先に寝ます。」
「こんなに美味しいのに残念ね。まぁいいわ、明日から頑張ってちょうだい。」
クラマはネリベルの言葉を最後まできかずにフラフラになりながらベットへと倒れこみ眠りについた。
「んんっ・・・眩しっ・・・」
クラマはいつもよりやけに太陽が眩しく感じ目をこすりながら目をさました。
「ふわぁ・・・へっ!?」
寝惚け眼で辺りを見渡すと1ヶ月程見ていた家の天井は無く、大きな青空が見え、そして周囲には木々が青々と繁っていて家など形など無く大きな大木に寄りかかるように寝ていた。
横にはバックと愛用している剣が置いてあり、バックの中には水分と一枚の紙が入っていた。
恐る恐る紙を見ると多分家らしきマークに丸がされていて、ちょっと離れた所にもうひとつ丸のマークが書かれてあった。
(このマークが現在の場所で・・・多分家に帰ってこいと言う事なんだろうけど・・・)
そもそもこの森の中を方向感覚もないのにこんな適当な地図一枚で簡単に帰れる訳がない。
「師匠のバカやろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ。」
クラマの叫び声が虚しく森にこだました瞬間物音がした。
ガサガサッ!
「し、ししょう!?」
森から出てきたのはクラマの予想外のものだった。
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