表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様は働きたくない!?  作者: さざなみ
少年期編
49/66

修行二日目

三日連続投稿達成!

WBC見てたら全く進みませんでした・・・

「し、ししょう!もうつらいんですがぁ!」


「大丈夫、まだ坊やの固くて丈夫よ。さすが、若いわねぇ。」








「はぁ、はぁ、はぁ、も、もう無理です!」


「もう!あんなに固かったのが柔らかくなってるわよ。もっと固くしないとダメよ?あとちょっと我慢なさい。」


「は、はい!」









「ししょう!もう耐えられません!」


「しょうがないわねぇ、良いわよ解いても。」


クラマはネリベルの許しを得て、血技で形成した剣を解くと血を体内に戻していく。


「坊や、ダメじゃない。私が一本空けきるまで耐えなさいって言ったのに半分しか減ってないわ。」


「はぁ、はぁ、す、すいません。」


「坊やの魔法を形成をし続ける事によって、魔力増幅、魔力の安定を鍛えているのよ?」


「はい!もう一度やらしてください!」


血には魔力が流れており、それをそのまま魔法として使える俺の種族魔法にはこの形成し続ける修行が効果的だと師匠が始める前に言っていた。

この世界の生き物の体内には必ず、心臓の隣には魔力を産み出す魔核と言われる臓器がある。

魔核を鍛えるには魔核に負荷、魔法を使う事によって鍛練することが可能らしく、形成を維持することは魔法を連続使用し続ける事なので地味に見えるが相当きつい修行だ。


「次は一本空けさせてよね。」


「が、頑張ります。」


形成している間師匠はずっと酒を飲み続け、グラスを片手に酒瓶は抱えながら俺に指示をくれていた。







「もう、暗くなってきたわね。坊や今日は終わりにしましょうか。」


「は、はい。」


終了の声を聞いたクラマは床に座り込んだ。

初日は死にかけて、二日目は徹底的に鍛えられたせいかクラマはすっかり疲弊していた。


「坊や最初から随分と頑張っているけど大丈夫かしら?」


「なんとか・・・」


クラマは疲れからか眠気が襲ってきてフラフラとしながら答える。


「しょうがないわね。今日は私がご飯を作ってあげるからおとなしくしてなさい。」


「ごめんなさい師匠・・・」


「いいわよ、ちょっと待ってなさい。」


そう言うとネリベルがキッチンへと向かった。

クラマはこんなに私生活がだらしない人がまともに料理が出来るのか心配だったが、体が言うことをきかずうたた寝してしまった。




「起きなさい坊や!」


「す、すいません!」


「ご飯食べたら寝ていいから食べちゃいなさい。」


「ありがとうございます。」


クラマは二日でキツい師匠で大変だと思っていたが、こんなに優しい一面を見て頑張ろうと思った。


しかし、起き上がりテーブルの上を見るとそんな気持ちはなくなった。


「し、師匠・・・何ですかこれは?」


「何って、玉子よ?」


テーブルの上の皿には玉子が6個鎮座してある。


「師匠?まだ、料理作ってるんですよね?前菜みたいなものですよねこれって。」


「なにいってるのよ。メインよ。メ・イ・ン!美味しいわよ?」


大きな胸を張りドヤ顔でネリベルは言っているがクラマはあきれて何も言えず、そっと玉子の殻をむき食べはじめた。

食べてみると味付けは何もしていないはずなのにしっかりと味がついており、黄身は半熟で濃厚なのにクセがなく、白身は固すぎず柔らか過ぎないゆで具合だ。

あまりの美味しさに先程まであきれ返っていたのを忘れ、どんどんと胃袋につめ込んでいく。


「師匠!この玉子一体何ですか!?茹でただけのはずなのにすごい美味しいです!」


「失礼ね、坊や。まぁ茹でただけなんだけど、その玉子は特別なのよ。」


ニワトリの玉子より一回り位大きい玉子だが、殻が緑っぽい以外はたいしてかわりようはない。


「その玉子はね、クラウンバードの玉子なのよ。」


「ク、クラウンバードですかっ!?市場に流れる事は殆んどないっていう幻の鳥ですよね!?」


クラウンバードはトサカが王冠のように見えるから名付けられた鳥だ。

一度だけ王宮のパーティーで食べたが味は抜群、プリプリの食感は噛めば噛むほどジューシーな肉汁が染み出てくる。

玉子は特に希少で養殖などはやって無いので自然で見つけなければならないが殆んど見つけられないらしい。


「ここの森にはクラウンバードが多く住み着いているのよ。まず猟師が入って来れないし、クラウンバードもそれが分かっているのか他の森からも飛んで来て住み着いてるみたいなのよ。私もたまに食材取りに行くと取れる時あるのよ。」


「師匠こんなに希少なものごちそう様でした。」


「良いのよ。クラウンバードの玉子は滋養強壮に良く聞くというから早く元気になりなさい。明日はまた今日と同じ修行だから早く体力回復しないと辛いわよ、早く寝なさい。」


「師匠ありがとうございます。お言葉に甘えてお先に寝ます。師匠も飲み過ぎないで下さいね。」


「もぅ、口うるさい弟子ね。一応分かったと言っておくわ。でも約束はしないけど・・・」


「ハハハッ、師匠らしいです。」


「凍ってゆっくり眠る?」


「お、お休みなさい!!!」














お読み頂きありがとうございます!


取り合えず次の投稿は来週になると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ