地獄への一歩
朝から刺激的な事があったが取り合えず忘れて、昨日お袋に呼ばれたのでお袋の部屋に向かった。
トントン
「クラマです。今お時間大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫よ。入りなさい。」
「失礼します。」
部屋へ入ると紅茶の良い香りが漂ってきた。
「今日クラマ二日酔いは大丈夫?良かったら今御茶を入れたから飲むかしら?」
「ありがとう、お袋貰うよ。」
リリスは御茶が趣味でよく御茶を飲んでいる。
御茶と言っても紅茶のような味でえぐみや渋みなどなくとても飲みやすく、詳しい事は分からないが良い茶葉を使ってるんだろう。
「それで、お袋昨日言っていた話って何かな?」
「そうね、早速本題に入りましょうか。」
そう言うとリリスは紅茶を一口飲むと話始めた。
「クラマは今どれくらい自分が強いと思うかしら?」
「どうだろう、測る相手がお袋やガイルが相手だからイマイチつかめないや。」
測るに測れない位お袋とガイルが強すぎるのだ。
「フフッ、そう言えばそうね。じゃあ私からいうとクラマがなろうと思っている冒険者のランクだとBね。ちなみにランクを簡単に言うと強さ、依頼の成功回数などを評価に表したものね。上からSSS、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gの10段階評価に分けられるわ。もしも、クラマが隠して使ってるあの魔法を使えばAになるかも知れない位ね。」
「そ、それはどうなの?」
「中級者として食べて生けない事はないと思うわ。」
「まぁまぁってことかな?」
「そうね、でも楽ではないわね。私も学院を卒業後は冒険者業していたけれども私はSだったわ。当時は魔法に頼りきっていた私は戦闘技術が芳しくないせいかそこまでだったわ。」
「お袋がS・・・」
「でもクラマが卒業するまでにはもっと強くなっていると思うわ。でも早く強くなりたいと思わないかしら?」
「えっ!?そんな事出来るの?」
「えぇ、クラマ次第だけどね。」
「やるよ、お袋!」
「でも教えるのは私じゃないわ。」
「お袋じゃない?じゃあ、ガイル?それとも親父?」
「いいえ、どれも違うわ。馬車を外に用意してあるから行きましょう。」
「う、うん。」
俺はお袋に促されて外へ向かった。
あんな地獄への一歩だとも知らずに・・・
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