自由の条件
夜用事があるのでいつもより早く投稿です。
いつの間にか10万PV越えてました!
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コンコン
「お父様失礼致します。」
「入れ。」
ガチャ
「親父、わざわざ政務室に呼ぶなんてどうしたの?」
「あぁ、三ヶ月後に入学する学院についてちょっとな。」
ルドルフは先程までの残念な感じはなく一国の王、威厳のある父の顔をしている。
10歳になった俺は、三ヶ月後にアルベニア王立学院の入学を控えておりその事について呼ばれた。
「クラマよ、お前は将来自由に・・・いや、働きたくないって言っていたな。その言葉はお前の本当の気持ちと思って良いのか?」
「いや、働きたくない訳ではなくて王子としてそしていつかは王としては働きたくないと思ってるんです。」
「そうか・・・」
ルドルフはクラマの話を直接聞き何かを考えているみたいだ。
「俺は王子としてではなく生きてみたいんです!」
「わかった。しかし、二つ条件を出させてもらうぞ。」
「はい。」
「まず、一つ。学院にて卒業時にお前はグリモワールになっていなさい。」
「グリモワール?」
「学院では成績優秀者のことをグリモワールと呼ばれるんだ。私やリリスもグリモワールだったんだぞ。」
「わかったよ。」
「二つ目の条件は、もし私や家族に何かあった時、いや国民達に何かあったときは守ってくれ。」
「必ず守るよ。」
「私からは以上だ。クラマよもう行ってもよいぞ。」
「親父、無理言ってごめんなさい。」
「何を言っている。一国の王の前にお前の父親だ。頑張りなさい。」
「ありがとう。」
クラマが出ていった後リリスが入ってきた。
「ルドルフ、本当に言ったの?」
「あぁ。」
「クラマがいくら才能があると言っても難しい事よ?昔は貴族のお気楽連中しか居なかったから私達がグリモワールになっただけで今は違うわ。」
「わかっている。だがクラマが学院で強くならなければ不自由してしまう。」
「そうだけど・・・」
「リリスよ、君の姉さんに頼んで貰って良いだろうか?」
リリスはその言葉を聞いた瞬間綺麗な顔が崩れ露骨に嫌そうな顔をした。
「リリスが嫌いなのは知っている。だが他に頼める者もおらんだろう。」
「そうだけど・・・」
「クラマの為を思って頼む。」
リリスは溜め息を一つ吐き。
「わかったわ。確かにクラマに私が教えられる事はもうほとんど無いわ。それぐらい優秀な子よ。今のクラマに教えられるのは姉さん位だと思うわ。でもひねくれてる姉さんが頷くかは分からないわよ?」
「構わんさ。後はクラマが何とかするだろうさ。」
「嫌だわ、クラマも姉さんみたいにひねくれてしまったら・・・」
「大丈夫だ。私達の自慢の子だ。」
「ええ、そうね!」
ルドルフとリリスは抱き合い頷き合った。
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